中小企業診断士は、試験範囲が広く、一次試験と二次試験で求められる力も大きく異なります。
そのため、思いつきで勉強を始めると、途中で方向性を見失いやすい資格でもあります。
この記事では、
2026年2月1日から学習を開始し、その年の試験で合格を狙うことを前提に、
・一次試験までの詳細カリキュラム
・二次試験までの学習設計
・申込期間・受験料・合格発表スケジュール
・二次合格後に必要な研修と費用
・登録までに何をすればいいのか
これらをすべて時系列で整理していきます。
スケジュール管理が苦手な方でも、この流れに沿って進めれば、
「今、自分はどこにいるのか」「次に何をやればいいのか」が常に見える設計になっています。
まず全体像 | 中小企業診断士試験お申込み~の流れ
中小企業診断士の流れは、次の順番で進みます。
一次試験(7科目・マークシート)
↓
一次合格発表
↓
二次試験(筆記4事例+口述)
↓
最終合格
↓
実務補習または実務従事
↓
登録申請 → 中小企業診断士として登録
試験に合格しただけでは「診断士」にはなれず、
登録要件となる実務ポイントを取得して、はじめて名乗れるようになります。
2026年度(令和8年度)の「公式な」一次・二次の日程は、2026年1月27日現在、経産省(中小企業庁)の新着情報にまだ掲載されていません(直近は令和7年度の試験案内)。
そのためここでは、まず「事務スケジュール(確定情報+例年の発表タイミング)」と「学習スケジュール(一次→二次)」を提示し、公式情報発表後に追記させていただきます。
受験手続きと費用の目安
※以下は直近年度の制度を基準にした金額です。年度によって微調整されることがありますので、必ず公式試験案内で最終確認してください。
一次試験
受験料:14,500円
オンライン決済手数料:およそ500円前後
二次試験
受験料:17,800円
こちらもオンライン決済手数料が別途かかる場合があります。
申込方法
近年はすべてオンライン申込が基本となっています。
顔写真データ、クレジットカードまたはオンライン決済手段の準備が必要です。
申込時期(例年)
一次試験申込:4月下旬〜5月下旬
一次試験実施:8月上旬の土日2日間
一次合格発表:9月上旬
二次試験申込:一次合格発表直後〜9月下旬
二次筆記試験:10月下旬の日曜日
二次筆記合格発表:翌年1月中旬
口述試験:1月下旬
最終合格発表:2月上旬
正式な日程は毎年春頃に発表されるため、
3月下旬〜4月上旬には必ず公式サイトで確認する習慣をつけておくと安心です。
学習時間の目安と週間設計
一次試験突破に必要な学習時間は、一般に800〜1,000時間前後とされています。
2026年2月から8月上旬まで約6か月とすると、次のペースが現実的です。
平日:1日2.5〜3.5時間
土日:1日3〜4時間
週合計:20〜25時間
忙しい週は15時間でも構いません。
重要なのは「止めないこと」と「毎週復習すること」です。
一次試験 科目構成
一次試験は次の7科目です。
企業経営理論
財務・会計
運営管理
経済学・経済政策
経営法務
経営情報システム
中小企業経営・政策
すべて60点以上で合格、または科目合格の積み上げ方式になります。
一次試験 詳細カリキュラム 2026年2月1日スタート想定
ここからは月ごとの到達目標と、具体的な学習内容を示します。
2月:主要2科目の土台作り
この月は、企業経営理論と財務・会計に集中します。
診断士試験全体の理解力を左右する中核科目です。
企業経営理論
組織論:モチベーション理論、リーダーシップ理論、組織構造
人事:評価制度、採用、能力開発
マーケティング:STP、4P、製品ライフサイクル、ブランド戦略
単なる暗記ではなく、
「なぜその施策が有効なのか」を説明できるレベルまで理解を深めます。
財務・会計
財務三表の構造と連動
CVP分析
投資意思決定(NPV・回収期間法)
原価計算の基本パターン
毎週必ず計算問題に触れ、
計算手順を固定化することが最重要ポイントです。
週末には必ず、
その週に学んだ内容をまとめ直す復習時間を確保します。
3月:運営管理を加えて主要3科目完成
3月から運営管理を追加します。
運営管理(生産管理)
工程管理
在庫管理
品質管理(QC七つ道具の考え方)
運営管理(店舗・販売管理)
店舗レイアウト
サービス管理
販売計画と数値指標
この科目は図表問題が多く、
読み取り練習を早めに始めておくと後半が楽になります。
2月から続けている企業経営理論・財務会計は、
毎週必ず演習を挟み、感覚を鈍らせないようにします。
4月:7科目を一周する月
ここから一気に全科目に触れていきます。
経済学・経済政策
需要供給、弾力性
国民所得計算
金融政策・財政政策の基本構造
経営法務
会社法(設立・機関設計・株式)
契約関係
知的財産権の基本整理
経営情報システム
IT基礎用語
情報セキュリティ
システム開発工程
中小企業経営・政策
白書の傾向
支援施策の体系整理
この時点では正答率は気にしません。
「聞いたことがある状態」を作ることが目的です。
また、この時期に一次試験の申込準備も進めます。
写真データ、支払方法、個人情報の確認を早めに済ませておくと安心です。
5月:一次試験 全科目一周完了+弱点補強
5月末までに、7科目すべての基本教材を一通り終えるのが目標です。
ここからは、
落とせない論点
捨てる論点
を分けて整理していきます。
過去問演習を本格化させ、
間違えた問題は必ず「なぜ間違えたか」を言語化して残します。
週末には簡易模試形式で複数科目を連続して解き、
時間配分の感覚を作っていきます。
この時期が一次申込締切に重なるため、
必ず締切前に申込完了させておきます。
6月:過去問回転期
6月からは完全にアウトプット中心に切り替えます。
財務
頻出計算パターンを完全固定
途中式を省かず再現できる状態に
企業経営理論
設問文から意図を読み取る練習
与件のキーワード抽出訓練
運営管理
図表問題の瞬時処理
選択肢消去の判断基準固定
暗記系科目は、
短時間で何度も回す方式に切り替え、
長時間の詰め込みは行いません。
7月:直前総仕上げ
この時期は新しい教材に手を出しません。
模試・答練・過去問復習を回しながら、
最終ノートを完成させます。
また、試験当日の動線もこの時点で決めます。
休憩時間に何を見るか
昼休みに何を確認するか
2日間の集中力配分
こうした運用面の準備も得点に直結します。
8月上旬:一次試験本番
前日は軽い確認のみで早めに休みます。
新しいことは一切入れません。
2日間の長丁場になるため、
体調管理と食事も含めて準備しておきます。
一次後〜二次試験対策
一次が終わった直後から、二次試験の型作りを始めます。
自己採点で合否が微妙な場合でも、二次対策は止めません。
二次試験は次の4事例で構成されます。
事例Ⅰ:組織・人事
事例Ⅱ:マーケティング・販売
事例Ⅲ:生産・技術
事例Ⅳ:財務分析・投資判断
求められるのは、
知識ではなく「文章での解答構成力」です。
一次直後〜9月上旬
与件文の読み方
設問分解の手順
解答骨子の作り方
80分の時間配分練習
9月〜10月
過去問事例演習を本格回転
ふり返りと答案改善を重視
二次試験は、解きっぱなしが最も危険です。
必ず「なぜその書き方が評価されるのか」まで確認します。
10月下旬
二次筆記試験本番
二次合格後に必要な研修と費用
二次試験に合格しても、すぐに診断士として登録できるわけではありません。
登録には「実務ポイント」が必要です。
主な取得方法は2つあります。
実務補習
実務従事
実務補習
中小企業診断士協会などが実施する研修プログラムです。
実際の企業に対して診断を行い、報告書を作成します。
1回の実務補習で取得できるポイント
5日間コース:5ポイント
15日間コース:15ポイント
登録には合計15ポイント以上が必要です。
費用目安
5日間:約5万円前後
15日間:約15万円前後
複数回受講して15ポイントを満たすケースが一般的です。
実務従事
コンサル業務などの実務経験でポイントを取得する方法です。
企業支援の実績を積み、証明書類を提出します。
副業や業務委託で経験を積む人も多いですが、
案件獲得までに時間がかかるため、
多くの方はまず実務補習を選択します。
登録申請と正式登録
実務ポイントを満たした後、登録申請を行います。
登録申請手数料
登録料:約30,000円前後
年会費:所属協会により異なる(数万円程度)
ここまで完了して、ようやく「中小企業診断士」として名乗ることができます。
まとめ
中小企業診断士は、試験だけでなく、その後の実務まで含めて
長期戦になる資格です。
しかしその分、
経営全般の体系的理解
個人事業や副業への応用
企業支援という社会的価値
これらを同時に手に入れられる、非常に実用性の高い資格でもあります。
2026年2月からスタートすれば、
一次試験まで約6か月、二次まで約9か月。
無理のないペースで積み上げれば、十分に現実的なスケジュールです。
あとは、今日の一歩を止めずに積み重ねるだけです。
↓↓↓さらに詳細↓↓↓
事務スケジュール(申込・料金・合格発表など)
料金(直近の公式案内に基づく基準)
一次試験の受験手数料は 14,500円、オンライン決済事務手数料が 525円(税込) かかる旨が、直近の一次試験案内(令和7年度)に明記されています。
二次試験は 17,800円 が一般に案内されています(直近年度でもこの水準で運用)。
※二次のオンライン決済手数料などの細目は、当該年度の試験案内で最終確認してください(年度ごとに表記や微調整があり得ます)。
申込(方式)
近年は、日本中小企業診断士協会連合会が提供するオンライン申込が前提になっています。
日程(2026年度の公式日程は未公表 → “確定待ち枠”として管理)
過去の傾向として、試験日程は年度の早い時期に告知されますが、今この時点で「令和8年度の確定日」を断言できる公式ページが見当たりません。
そこで、あなたの計画上は次のように「確認・申込・試験」の作業を固定します。
確定待ち枠(2026年度)
・公式日程の公表確認:2026年3月下旬〜4月上旬に必ず確認(経産省・協会連合会)
・一次申込:例年は4月下旬〜5月下旬ごろ(令和7年度は4/24〜5/28)
・一次試験:例年8月上旬の土日2日(令和7年度は8/2・8/3)
・一次合格発表:例年9月上旬(令和7年度は9/2)
・二次申込:一次合格発表直後〜9月下旬(令和7年度は9/2〜9/22)
・二次(筆記):例年10月下旬の日曜(令和7年度は10/26)
・二次(筆記)結果:翌年1月中旬(令和7年度は2026/1/14)
・二次(口述):翌年1月下旬(令和7年度は2026/1/25)
・最終合格発表:翌年2月上旬(令和7年度は2026/2/4)
学習スケジュール(2026/2/1〜一次試験まで)
前提として、一次は科目数が多く、後半は過去問演習の比重が急増します。ここでは、一次が例年通り8月上旬で来る想定で逆算し、週の型を固定します(公式日程が出たら、最終の「直前期」だけ日付を合わせて微調整すれば崩れません)。
週の学習設計(標準)
平日:合計 2.5〜3.5時間(インプット 60分×2+演習 30〜60分)
土日:合計 6〜8時間(過去問・答練中心、復習に厚く)
合計:週 20〜25時間を基準(忙しい週は 15時間でも継続を優先)
科目配分の考え方
最初の2か月で「主要3科目(企業経営理論・財務会計・運営管理)」の骨格を作り、4〜6月で7科目を一周、6月後半からは過去問回転を主戦場にします。法務・情報・中小は直前で伸びやすい一方、財務と運営は積み上げが必要なので早めに厚くします。
月別の到達目標(一次)
2月:企業経営理論と財務会計の基礎を作る(用語と計算の型、ミスの典型を潰す)
3月:運営管理の基礎を作る(生産・店舗の頻出論点を一度通す)
4月:経済学・経営法務・情報を着手し、7科目を「薄くても一周」させる(申込開始が近いので、願書・写真・決済手段など事務面も整える)
5月:一次の全科目を一周完了、苦手科目の“穴”をリスト化して潰し始める(申込締切想定)
6月:過去問回転(年度別→論点別)に移行、得点源の型を固定
7月:直前期(模試・答練・総復習、暗記系の最終固定、当日運用の最適化)
8月上旬:一次本試験(2日)
一次対策:週単位の具体スケジュール(2/1開始)
日付は「週番号」で管理します。公式発表後に、一次試験週をゴールに合わせて週番号をずらせば、そのまま使えます。
Week 1〜4(2月)基礎固め:企業経営理論・財務会計を主軸
企業経営理論:組織論・人事・マーケの基本フレームを作り、章末問題で“説明できる状態”へ
財務会計:財務三表のつながり、CVP、NPV、意思決定の基本パターンを毎週反復(計算は「手順」を固定)
毎週末:前週のミスノート整理、1週間分の復習テスト(短時間でよいが必ず実施)
Week 5〜8(3月)運営管理を合流させて、主要3科目の土台を完成
運営管理:生産管理(工程・在庫・品質)、店舗・販売管理(レイアウト、サービス、数値)を一周
企業・財務:週あたりの比率は落としすぎず、必ず演習を入れて手を鈍らせない
月末目標:主要3科目で「過去問に触れ始める」段階へ(正答率はまだ追わない)
Week 9〜13(4月)7科目に拡張しながら一次の全体像を完成
経済学:ミクロ(需要供給・弾力性)→マクロ(IS-LMの前段、GDP、金融財政)を“計算とグラフ”で押さえる
法務:会社法・知財・契約の頻出論点を拾い、条文暗記ではなく「問われ方」で覚える
情報:IT基礎、セキュリティ、システム開発の頻出を、用語と過去問で往復
中小:白書・政策は範囲を絞り、論点カード化して回転させる
この時期に、申込に必要な環境(オンライン申込、決済、写真データ等)を整備しておくと事故が減ります。
Week 14〜17(5月)一次一周完了→弱点を点数に変える月
科目ごとに「落としてはいけない論点」と「捨て論点」を分け、時間を再配分
過去問は、年度別に解いて復習した後、論点別に並べ替えて回す
週末はミニ模試形式(科目横断で2〜3科目まとめて解く)に切り替え、時間感覚を作る
申込締切が近い想定なので、手続きは前倒しで完了させます。
Week 18〜22(6月)過去問回転の主戦場化:得点の型を固定
財務:計算問題の“型”を10〜15パターンに集約し、初見でも手が動く状態へ
企業:設問文の読み方、与件から選択肢を落とす手順を固定
運営:図表・数値の読み取りで落とさない運用へ
暗記系(法務・情報・中小・経済の一部):毎日短時間で回す「反復装置」にする(重くやらない、止めない)
Week 23〜25(7月)直前期:模試・総復習・当日運用
模試や答練を入れ、復習に時間の半分以上を割く(解きっぱなし禁止)
頻出論点だけをまとめた最終ノートを完成させ、毎日眺めて固定
当日の休憩時間に何を見るか、2日間の科目順に合わせて“見る順番”まで決める
Week 26(一次本試験週:8月上旬想定)
前半は軽い復習と体調最優先、前日は新しいことを増やさない
本試験:2日間運用
一次後〜二次筆記まで(一次合格前提で先回りするスケジュール)
一次が終わった直後から、二次の“作法”に慣れた人が強いです。一次の自己採点の結果に関わらず、最低2週間は二次型の練習を入れる設計にしておくのが安全です。
一次翌週〜9月上旬:二次の基本フォーム(与件の読み方、設問解釈、骨子作成、80分配分)
9月上旬(一次結果想定):合格なら二次申込を即実施し、二次を主戦場に切替
9月〜10月下旬:事例演習の回転(解く→ふり返る→型を作る)
10月下旬:二次筆記(例年)
二次筆記後〜口述・最終合格発表、その後(確定情報は“年度の案内”で最終確認)
二次筆記後:事例の再現答案作成、弱点分析、口述を見据えた一次知識の補強
翌年1月中旬:筆記合格(口述資格者)発表の時期(直近年度の例)
翌年1月下旬:口述試験(直近年度の例)
翌年2月上旬:最終合格発表(直近年度の例)
二次後の実務ステップ(合格後に必ず必要になる計画枠)
最終合格後は、登録要件を満たすために「実務補習」または「実務従事」などの実務要件を積み上げていきます。ここは個人の状況でルートが分かれるので、あなたの働き方(個人事業の繁忙期、育児スケジュール)に合わせて、合格後に「いつ・どの形式で」実務ポイントを取りにいくかを別紙で設計すると、合格が“資格化”していきます。
この計画の使い方(最小の修正で済む運用)
3月下旬〜4月上旬に、経産省(中小企業庁)と協会連合会で「令和8年度の確定日程」を確認し、一次試験日をゴールに置いて、上のWeek番号を平行移動します。

