【図解で説明】データベースの正規化の練習問題 | 中小企業診断士1次試験 経営情報システム

今回は、過去問でも比較的出題されやすく、かつこのセッションではまだ深く扱っていない論点として、経営情報システムの「データベースの正規化」から出題します。

目次

データベースの正規化の練習問題

リレーショナルデータベースの正規化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 第1正規形では、主キー以外の属性が主キーの一部だけに従属している状態を解消する。

イ 第2正規形では、繰り返し項目や複数値を持つ属性を排除し、各属性の値を原子的な値にする。

ウ 第3正規形では、主キー以外の属性が、別の主キー以外の属性に従属している状態を解消する。

エ 正規化を進めるほど、必ず検索速度は向上し、結合処理も不要になる。

正解と思う選択肢を、ア・イ・ウ・エから選んでください。

回答と解説

U

エでしょうか…

エは不正解です。

正解は、ウです。

第3正規形では、主キー以外の項目が、別の主キー以外の項目に依存している状態をなくします。

たとえば、次のような表を考えます。

顧客ID 顧客名 郵便番号 住所

このとき、顧客IDが決まれば、顧客名・郵便番号・住所が決まります。

ただし、郵便番号が決まれば住所も決まる、という関係もあります。

つまり、

顧客ID → 郵便番号 → 住所

という流れになっています。

住所は本来、顧客IDから直接決まるというより、郵便番号によって決まっています。このように、主キーではない項目を経由して別の項目が決まる状態を、推移的関数従属といいます。

第3正規形では、この推移的関数従属を取り除きます。

選択肢ごとに見ると、こうなります。

アは、第2正規形の説明です。
主キーの一部だけに依存している状態をなくすのが第2正規形です。

イは、第1正規形の説明です。
繰り返し項目や複数値をなくし、1つの欄には1つの値だけを入れる形にします。

ウが正解です。
主キー以外の項目が、別の主キー以外の項目に依存している状態をなくすのが第3正規形です。

エは誤りです。
正規化を進めると、データの重複や更新ミスは減ります。ただし、表が分かれるため、検索時に結合処理が増えることがあります。つまり、必ず検索速度が上がるわけではありません。

覚え方としては、次の流れがわかりやすいです。

第1正規形
1つの欄に1つの値だけ入れる

第2正規形
主キーの一部だけに頼る項目を分ける

第3正規形
主キー以外に頼る項目を分ける

試験では、特に第2正規形と第3正規形の説明を入れ替えて出されやすいです。

この論点は、中小企業診断士一次試験の「経営情報システム」に出てくる論点です。

分野としては、データベースです。

今回扱った「正規化」は、データベース設計の基礎論点で、次のような位置づけです。

経営情報システム
データベース
リレーショナルデータベース
表、主キー、外部キー
関数従属
第1正規形、第2正規形、第3正規形
SQLやデータ管理との関連

試験では、細かい設計実務というより、

第1正規形は何をなくすのか
第2正規形は何をなくすのか
第3正規形は何をなくすのか
主キー、外部キー、関数従属の意味
正規化の長所と短所

このあたりが問われやすいです。

特に今回の問題は、

第3正規形
推移的関数従属
正規化すると重複や更新ミスは減るが、結合が増えて検索が必ず速くなるとは限らない

という点を見抜く問題でした。

経営情報システムとはどんな科目?

経営情報システムは、暗記科目に見えますが、実際には「会社でITを使うときに、何をどう判断するか」を問う科目です。試験範囲の全体像が見えるように、まず公式範囲に近い区分で整理します。

経営情報システムは、中小企業診断士一次試験の中で、会社経営とITをつなぐ科目です。

単なるパソコン知識ではなく、診断士として中小企業に助言するときに、情報システムをどう経営に役立てるか、専門家にどう橋渡しするかを問われます。公式の科目設置目的でも、情報通信技術の知識に加えて、情報システムを経営戦略や企業革新と結びつける視点が求められています。

大きく分けると、経営情報システムは二つの山でできています。

一つ目は、情報通信技術に関する基礎知識です。

ここでは、コンピュータそのものの仕組みを学びます。たとえば、CPU、メモリ、補助記憶装置、入出力装置、OS、ミドルウェア、アプリケーション、アルゴリズム、データ構造、プログラミング技法などです。公式範囲でも、ハードウェア、ソフトウェア、プログラム設計、ソフトウェア開発が含まれています。

試験で問われる形としては、CPUとメモリの役割、キャッシュメモリ、主記憶と補助記憶、OSの機能、プログラム言語、オブジェクト指向、アルゴリズム、データ構造などがあります。

二つ目は、経営情報管理です。

こちらは、ITを会社の経営や業務にどう使うかを問う分野です。情報システム戦略、ITガバナンス、内部統制、システム監査、業務プロセス改善、データ活用基盤、サプライチェーンマネジメント、カスタマーリレーションシップマネジメントなどが含まれます。公式範囲でも、経営戦略との連携、新技術導入、情報化投資、ITガバナンス、組織内情報システム、組織間情報システムなどが挙げられています。

かなり簡単に言うと、前半はITの仕組み、後半はITの使い方です。

経営情報システムの主な論点は、次のように整理できます。

ハードウェア

コンピュータの物理的な構成を扱います。CPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力装置、インタフェースなどです。

ここは、会社にたとえると「人が考える頭」「一時的に机に広げる作業スペース」「書類を保管する棚」の違いを理解する論点です。CPUは処理する場所、メモリは一時的に作業する場所、ストレージは保存する場所です。

ソフトウェア

OS、ミドルウェア、アプリケーションソフト、ファイルシステムなどを扱います。

OSは、コンピュータ全体を動かす土台です。アプリケーションは、表計算ソフトや会計ソフトのように、利用者が直接使う道具です。ミドルウェアは、OSとアプリケーションの間を支える部品です。

システム構成

クライアントサーバシステム、Webシステム、仮想化、クラウド、集中処理、分散処理、並列処理、リアルタイム処理、バッチ処理などを扱います。

ここは「どこで処理するか」「いつ処理するか」「どのように分担するか」を見る分野です。たとえば、バッチ処理はまとめて処理する方式、リアルタイム処理はその場ですぐ処理する方式です。

データベース

今回出題した正規化は、この分野です。

主な論点は、リレーショナルデータベース、表、レコード、フィールド、主キー、外部キー、SQL、正規化、関数従属、DBMS、トランザクション管理、排他制御、バックアップなどです。公式範囲でも、データベースの種類と構成、データベース管理システム、データベース関連技術が含まれています。

試験では、正規化、主キー、外部キー、SQL、ACID特性あたりが狙われやすいです。

通信ネットワーク

インターネット、LAN、IPアドレス、DNS、TCP/IP、HTTP、HTTPS、SMTP、POP、IMAP、VPN、ルータ、スイッチ、ファイアウォールなどを扱います。

ここは「コンピュータ同士がどうつながるか」を学ぶ分野です。試験では、プロトコルの役割、OSI基本参照モデル、TCPとUDPの違い、IPアドレス、DNS、暗号化通信などが問われます。

システム性能・信頼性

稼働率、MTBF、MTTR、RASIS、冗長化、フェールセーフ、フェールソフト、フォールトトレランス、バックアップ、リカバリなどを扱います。

ここは計算問題も出やすいです。たとえば、直列システムと並列システムの稼働率計算があります。

システム開発

ウォーターフォール型開発、アジャイル型開発、インクリメンタル型開発、プロトタイピング、要件定義、外部設計、内部設計、プログラミング、テスト、導入、保守などを扱います。公式範囲でも、ウォーターフォール型、インクリメンタル型、アジャイル型開発が挙げられています。

試験では、開発手法の違い、テストの種類、プロジェクト管理、EVMなどが問われます。令和7年度の総評でも、システム開発手法やEVMは過去問類似として挙げられています。

情報セキュリティ

機密性、完全性、可用性、認証、アクセス制御、暗号化、電子署名、公開鍵暗号方式、共通鍵暗号方式、ハッシュ関数、マルウェア、フィッシング、標的型攻撃、ゼロトラスト、リスク管理などを扱います。

ここは近年かなり重要です。単語暗記だけでなく、「何を守る技術なのか」を考えると理解しやすくなります。たとえば、暗号化は盗み見対策、電子署名は改ざん検知と本人確認、アクセス制御は権限のない人を入れない仕組みです。

ITガバナンス・システム監査

経営者がITをどう管理するかを扱います。ITガバナンス、内部統制、システム監査、情報セキュリティ管理、IT投資評価、サービスマネジメントなどです。

ここは、技術者目線というより、診断士らしい経営目線の論点です。ITを導入しただけで終わらせず、経営目的に合っているか、リスクは管理されているか、費用対効果はあるかを見ます。

データ活用・AI・データサイエンス

データ収集、加工、可視化、データ分析基盤、機械学習、人工知能、統計、データウェアハウス、BI、データマイニングなどを扱います。公式範囲にも、データ分析技術と活用、データサイエンス、人工知能が含まれています。

近年は、AI、デジタルガバナンス、機械学習などの時事的な出題もあります。令和7年度の総評でも、AIに対する攻撃、デジタルガバナンス・コード、機械学習などが挙げられています。

経営情報システムを全体像で覚えるなら、次の順番がわかりやすいです。

まず、コンピュータの中身を知る。

次に、コンピュータ同士のつながりを知る。

そのうえで、データをどう保存し、どう活用するかを知る。

さらに、システムをどう開発し、どう運用し、どう守るかを知る。

最後に、それを経営戦略、業務改善、意思決定、IT投資につなげる。

つまり、経営情報システムは「IT用語の暗記科目」ではなく、会社の情報の流れを設計・管理する科目です。

診断士試験の感覚でいうと、特に押さえたい頻出・重要論点は、データベース、ネットワーク、セキュリティ、システム開発、稼働率、ITガバナンス、データ活用です。

今回の正規化は、その中のデータベース分野に入ります。試験では「第1正規形、第2正規形、第3正規形の違い」「主キーと外部キー」「正規化の長所と短所」を問われやすい論点です。

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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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