主要な中小企業施策まとめ|経営革新・事業承継・BCP・補助金を図解で整理

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まとめシートで中小企業政策を勉強していたとき、「経営革新」「事業承継」「BCP」「補助金」が別々のページに散らばっていて、全体像がつかみにくいと感じました。

一度、4つのテーマを横断して整理してみたら、「中小企業を守り、育て、次世代につなぐ」という施策の大きな流れが見えてきた気がします。

中小企業政策の試験では、「どの施策が・誰に・どんな支援をするか」をセットで覚えることが得点への近道です。このページでは、1次試験に頻出の4テーマを要件・承認機関・数値目標を中心に整理しています。

年率3%
以上
経営革新計画の付加価値額・経常利益の向上目標
3
類型
事業承継の方法(親族内・役員従業員・M&A)
2027
年3月末
事業承継税制・特例承継計画の提出期限
経営革新計画
新事業活動を通じて経営を向上させる計画。都道府県知事等の承認を受けると各種支援を受けられる。
承認制度
事業承継
経営者の引退・世代交代を支援する制度。親族内・役員従業員・M&Aの3類型がある。
世代交代支援
BCP(事業継続計画)
緊急事態発生時も重要業務を継続・早期復旧するための計画。中小機構が策定支援を行う。
リスク対応
補助金・助成金
ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金など。設備投資・DX推進・販路拡大を支援。
資金支援
目次

経営革新計画とは

「経営革新計画」は、中小企業が新事業活動を通じて経営の相当程度の向上を図る計画を策定し、都道府県知事等の承認を受けることで、低利融資・信用保証の特例・補助金申請の優遇などの支援措置を受けられる制度です。根拠法は「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(中小企業新事業活動促進法)」です。

新事業活動 01
新商品の開発・生産
既存商品とは異なる新たな商品を開発・製造すること
新事業活動 02
新役務の開発・提供
既存サービスとは異なる新たなサービスを開発・提供すること
新事業活動 03
商品・役務の新生産方式・販売方式
商品・役務の生産または販売の方式を相当程度向上させる新方式の導入
新事業活動 04
新たな市場の開拓
これまで取引のなかった国内外の新たな市場への参入・開拓
新事業活動 05
新たな組織管理方式
経営の改善に著しく寄与する新たな管理方式の導入(ISO取得・ERP導入など)
数値目標(計画期間:3〜5年)
目標①付加価値額または経常利益:年率3%以上向上
目標②1人当たり付加価値額:年率3%以上向上
承認機関原則:都道府県知事。複数都道府県にまたがる場合は経済産業大臣等

事業承継の3つの方法

中小企業の経営者が引退する際、後継者に事業を引き継ぐことを「事業承継」といいます。方法は大きく3つに分類でき、それぞれにメリット・デメリットがあります。試験では3類型の特徴の違いや、税制上の扱いが問われることがあります。

類型 01
親族内承継
強み従業員・取引先・金融機関からの信頼を得やすく、スムーズに移行しやすい
課題相続税・贈与税の負担が大きい。後継者が必ずしも経営能力を持つとは限らない
最も多い承継方法
類型 02
役員・従業員承継(MBO等)
強み内部事情をよく知る人材への承継。経営の一貫性を保ちやすい
課題株式取得のための資金調達が必要。後継者として育成する時間がかかる
社内承継
類型 03
M&A(第三者承継)
強み身内・社内に後継者がいなくても事業を存続できる。売却益を得られる場合もある
課題マッチングに時間がかかる。従業員への影響・企業文化の変化が生じやすい
後継者不在でも可
事業承継税制(特例措置)のポイント
非上場株式等の贈与・相続について、一定の要件を満たすことで贈与税・相続税の納税が猶予(特例措置では100%)される制度です。特例措置の適用には、2027年3月31日までに「特例承継計画」を都道府県知事に提出する必要があります。支援窓口は各都道府県に設置された「事業承継・引継ぎ支援センター」です。
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事業承継税制の「特例措置」と「一般措置」の違いは、試験でよく問われます。特例措置では贈与税・相続税ともに100%が猶予されるのに対し、一般措置は贈与税100%・相続税80%という違いがあります。また「特例承継計画の提出期限(2027年3月末)」は数字として押さえておきたいところです。

BCP(事業継続計画)とは

BCP(Business Continuity Plan)とは、地震・感染症・火災・サプライチェーン断絶などの緊急事態が発生した際に、重要な事業を継続または早期に復旧するための行動計画です。単なる「危機対応マニュアル」とは異なり、「何が止まると会社の存続に関わるか」という視点から重要業務を特定し、事前に対策を準備しておく計画です。中小企業基盤整備機構(中小機構)が策定支援ツールやセミナーを提供しています。

01
重要業務の特定
「これが止まったら会社が危ない」という業務を洗い出す。受注・製造・納品・支払いなど、優先順位をつけて整理する。
02
リスクの想定
発生しうる緊急事態(地震・水害・感染症・ITシステム障害等)を想定し、自社への影響を評価する。
03
目標復旧時間(RTO)の設定
重要業務をいつまでに再開できるか、目標を数値で設定する。「72時間以内に受注業務を再開する」など具体的に決めておく。
04
代替手段・事前準備
バックアップ拠点・代替仕入先・データのクラウドバックアップなど、緊急時に切り替えられる手段を事前に準備する。
05
定期的な見直し・訓練
策定して終わりではなく、年1回程度の見直しと実際の訓練が重要。中小機構のBCP策定支援ツール・セミナーも活用できる。

主な補助金・助成金の種類

中小企業向けの補助金・助成金は種類が多く、試験では「対象・上限額・目的」のセットで問われることがあります。補助金は事業終了後に実績報告が必要な「後払い」が基本で、採択率・審査があるものがほとんどです。

補助金名主な対象補助上限(目安)主な目的・用途
ものづくり補助金中小企業・小規模事業者750〜1,250万円革新的な製品・サービス開発や生産プロセス改善のための設備投資
小規模事業者持続化補助金小規模事業者50〜250万円販路開拓・業務効率化のための取り組み(広告・設備・Webサイト等)
IT導入補助金中小企業・小規模事業者最大450万円ITツール(会計ソフト・POSレジ・受発注システム等)の導入によるDX推進
事業再構築補助金中小企業等最大7,000万円〜外部環境変化への対応として、新分野展開・業態転換・事業転換を支援

千葉の小さな食堂で考えてみると

身近な場面から整理してみると

千葉県のある小さな定食屋「U食堂」を想像してみてください。70代の大将が「そろそろ引退しようか」と考えているとします。

息子は都市部で別の仕事をしており、後継者がいない状況。常連客は多く、地域に愛されているお店ですが、大将が倒れたら翌日から休業になってしまいます。

この状況に、4つの施策がどう関わるか整理してみます。

事業承継:身内・社内に後継者がいないなら、長年働いている従業員(類型②)か、外部の買い手へのM&A(類型③)を検討できます。事業承継・引継ぎ支援センターに相談すれば、マッチング支援を無料で受けられます。

経営革新計画:引退前に大将が「テイクアウト専門の弁当事業」を始めようとしていた場合、これは「新役務の開発・提供」にあたる新事業活動です。知事に承認を受ければ、低利融資の優遇措置を活用できます。

BCP:大将が急病になったとき、食堂はすぐ営業できなくなります。「主要レシピの引き継ぎ」「仕入先リストのバックアップ」「代替スタッフの手配先」など、事前に決めておくことがBCPの考え方です。

IT導入補助金:モバイルオーダーシステムやPOSレジを導入することで、業務効率化と後継者への引き継ぎがスムーズになります。IT導入補助金を活用すれば、導入費用の一部を補助してもらえます。

過去問で確認する

中小企業経営・政策|経営革新計画頻出テーマ

経営革新計画に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ア. 経営革新計画の承認は、すべての場合において中小企業庁長官が行う。
  • イ. 経営革新計画の計画期間は5年以上でなければならない。
  • ウ. 経営革新計画では、付加価値額または経常利益の年率3%以上の向上を目標の一つとする。
  • エ. 「新事業活動」として認められるのは、新商品の開発・生産のみである。
解答と解説
正解:ウ
ア×:原則として都道府県知事が承認します(複数都道府県にまたがる場合は経済産業大臣等)。イ×:計画期間は3年〜5年です。エ×:新事業活動は新商品だけでなく、新サービス・新生産方式・新市場開拓・新組織管理方式の5種類があります。ウ○:付加価値額または経常利益が年率3%以上、かつ1人当たり付加価値額も年率3%以上向上することが数値目標の基準です。
中小企業経営・政策|事業承継税制頻出テーマ

非上場株式等にかかる事業承継税制(特例措置)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ア. 特例措置では、相続税の80%が猶予される。
  • イ. 特例措置の適用には、特例承継計画を2027年3月31日までに都道府県知事へ提出する必要がある。
  • ウ. 事業承継税制は、上場企業の株式も対象となる。
  • エ. 後継者は先代経営者の親族に限られる。
解答と解説
正解:イ
ア×:特例措置では贈与税・相続税ともに100%が猶予されます(一般措置は贈与税100%・相続税80%)。ウ×:対象は非上場株式等のみです。エ×:後継者は親族以外の役員・従業員でも対象になります。イ○:特例承継計画の提出期限は2027年3月31日です。
U のメモ

この4テーマで混乱しやすいのが「承認機関の使い分け」です。経営革新計画は都道府県知事(原則)、事業承継税制の特例承継計画も都道府県知事に提出します。一方、よろず支援拠点や中小機構への相談は「承認」ではなく「相談・支援」なので、「承認」という言葉が出てきたら知事等への申請を思い浮かべるとよさそうです。

補助金は毎年公募条件が変わるため、試験では「上限額の数字」より「対象・目的の組み合わせ」が問われることが多い印象です。まずは4種類の補助金の名前と目的をセットで整理することを優先しています。

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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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