U「この商品は業界No.1!」——その表示が虚偽なら景品表示法違反です。優良誤認・有利誤認という2つの不当表示と、懸賞・総付景品の上限額の数字が試験の頻出論点です。消費者庁の所管・課徴金の仕組みまで整理して、経営法務の得点源にしましょう。
景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者に対して商品・サービスの品質・価格について不当な表示をすることや、過大な景品類を提供することを規制する法律です。1962年制定、消費者庁が所管しています。試験では①不当表示(優良誤認・有利誤認)②景品規制(懸賞・総付景品の上限額)③措置命令・課徴金制度の3つが繰り返し出題されます。数字を正確に覚えることが得点の鍵です。
景品表示法の目的・所管・根拠法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 不当景品類及び不当表示防止法 |
| 制定年 | 1962年(昭和37年) |
| 所管 | 消費者庁(2009年以前は公正取引委員会) |
| 目的 | 消費者が商品・サービスを自主的かつ合理的に選択できる環境を守ること。不当な表示・過大景品による一般消費者の利益侵害を防止する。 |
| 適用対象 | 事業者が行う商品・サービスの表示・景品付き取引(一般消費者向け) |
不当表示——2つの類型を徹底整理
優良誤認表示
定義:商品・サービスの品質・内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤解させる表示。
対象:品質・規格・原材料・成分・製造方法・原産地等の内容に関する表示
- 例:産地偽装(「国産牛」と表示したが実は輸入牛)
- 例:効果誇大(「1か月で10kg確実に痩せる」)
- 例:原料偽装(「無添加」と表示したが添加物入り)
- 例:実績虚偽(「顧客満足度No.1」の根拠なし)
有利誤認表示
定義:商品・サービスの価格・取引条件について、実際のものや競合他社のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤解させる表示。
対象:価格・代金の支払方法・数量・アフターサービス等の取引条件に関する表示
- 例:二重価格(「定価10万円→特価3万円」の定価が架空)
- 例:割引偽装(「30%OFF」だが元々高く設定してあった)
- 例:比較虚偽(「業界最安値」だが実際は最安値ではない)
- 例:無料誤認(「初月無料」だが翌月からの高額課金を隠す)
景品規制——上限額の数字を覚える
一般懸賞(くじ・抽選等)
(低い方が上限)
取引価額5,000円未満の場合は最高額の20倍が上限。5,000円以上の場合は10万円が上限。懸賞の合計額は懸賞に係る売上予定総額の2%以内。
共同懸賞(複数事業者が共同で行う懸賞)
合計額は売上予定総額の3%以内
商店街・業界団体等が一定期間共同で行う懸賞。一般懸賞より上限が大きい。30万円という数字を覚えること。
総付景品(全員にもれなく提供)
(高い方が上限)
購入者全員にもれなく提供するおまけ・特典。取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10%が上限。
オープン懸賞(取引に条件なし)
商品購入等の取引とは条件なしに誰でも応募できる懸賞。取引に付随しないため景品規制の対象外。ただし「取引に付随」するか否かの判断が問題になる場合がある。
| 景品の種類 | 上限額 | 合計額の上限 | 試験での重要度 |
|---|---|---|---|
| 一般懸賞(5,000円未満の取引) | 取引価額の20倍 | 懸賞売上予定額の2% | ★★★ |
| 一般懸賞(5,000円以上の取引) | 10万円 | 懸賞売上予定額の2% | ★★★ |
| 共同懸賞 | 30万円 | 懸賞売上予定額の3% | ★★ |
| 総付景品(1,000円未満) | 200円 | なし(個別上限のみ) | ★★★ |
| 総付景品(1,000円以上) | 取引価額の10% | なし(個別上限のみ) | ★★★ |
| オープン懸賞 | なし | なし | ★★ |
数字の覚え方——景品上限額を確実に記憶する
(5,000円未満→20倍・5,000円以上→10万円)
(一般懸賞10万円の3倍)
(1,000円未満→200円・1,000円以上→取引価額の10%)
(一般懸賞2%・共同懸賞3%)
・一般懸賞:「5,000円」を境に「20倍か10万円」(小→倍率、大→定額)
・共同懸賞:一般懸賞(10万円)の3倍で「30万円」(共同なので大きい)
・総付景品:「1,000円」を境に「200円か10%」(小→定額、大→割合)
・懸賞の総額:一般「2%」、共同「3%」(共同は1%大きい)
措置命令・課徴金制度——違反した場合の制裁
措置命令
消費者庁長官が事業者に対して違反行為の差止め・再発防止・周知措置等を命じる行政処分。措置命令に違反した場合は刑事罰(2年以下の懲役または300万円以下の罰金)が科される。景品表示法の基本的な執行手段。
課徴金制度(2016年導入)
優良誤認・有利誤認の不当表示を行った事業者に対して、対象商品・サービスの売上高の3%相当の課徴金を課す制度。措置命令の実効性を高めるために導入。課徴金の対象期間は違反行為開始から3年以内の行為(最大3年分の売上高の3%)。
課徴金の減額措置
事業者が被害を受けた消費者に返金措置を実施した場合、返金額の1.5倍が課徴金から減額される。また、違反行為を自発的に申告した場合は課徴金が50%減額される(自主申告減額)。
課徴金が免除される場合
課徴金の計算額が150万円未満の場合は免除(少額免除)。また、事業者が違反行為であることを知らず、かつ知らないことに相当の理由がある場合も免除。
| 制度 | 内容 | 数字 |
|---|---|---|
| 措置命令 | 違反行為の差止め・再発防止等を命じる行政処分 | — |
| 課徴金 | 対象売上高の3%(優良誤認・有利誤認のみ対象) | 3% |
| 課徴金の対象期間 | 違反行為開始から3年以内の行為 | 3年 |
| 少額免除 | 課徴金計算額が150万円未満の場合は免除 | 150万円未満 |
| 返金減額 | 消費者への返金額の1.5倍を課徴金から控除 | 1.5倍 |
| 自主申告減額 | 自発的申告で課徴金50%減額 | 50%減額 |
試験対策——頻出ポイントの確認
不当表示の2類型
- 優良誤認:品質・内容の誇大表示
- 有利誤認:価格・条件の誇大表示
- 優良=品質、有利=価格・条件
- 第三の告示指定表示も存在
一般懸賞の上限額
- 5,000円未満:取引価額の20倍
- 5,000円以上:10万円
- 懸賞総額:売上予定額の2%以内
- 共同懸賞:30万円・3%
総付景品の上限額
- 1,000円未満:200円
- 1,000円以上:取引価額の10%
- オープン懸賞:上限なし
課徴金の数字
- 課徴金率:3%(売上高の)
- 対象期間:最大3年
- 少額免除:150万円未満
- 返金減額:返金額の1.5倍を控除
制度の基本情報まとめ
- 正式名称:不当景品類及び不当表示防止法
- 所管:消費者庁(2009年以前は公正取引委員会)
- 制定:1962年
- 不当表示:優良誤認・有利誤認・告示指定表示の3類型
- 景品規制:一般懸賞・共同懸賞・総付景品・オープン懸賞
- 課徴金:売上高の3%・最大3年・150万円未満免除
よくある質問(FAQ)
優良誤認と有利誤認はどうやって区別しますか?
景品の「取引価額」は何を指しますか?
課徴金の対象は優良誤認・有利誤認のどちらですか?
景品表示法と独占禁止法の関係は何ですか?
総付景品の「200円」と「10%」はどちらを適用しますか?
景品表示法は「消費者が正しく商品を選べる環境を守る法律」です。不当表示(優良誤認=品質・有利誤認=価格)の2類型と、景品上限額の数字(一般懸賞:20倍or10万円、共同懸賞:30万円、総付:200円or10%)を確実に覚えておきましょう。課徴金の3%・150万円・1.5倍という数字も試験頻出です。経営法務の得点源として、繰り返し確認してみてください。









