U経済学は最初、グラフを見てもピンとこなかったです。
「需要曲線が右にシフトする」と言われてもイメージがわかない。
でも、閉店間際のスーパーで半額シールを見た瞬間に「あ、これが需要曲線の動きか」とつながりました。
ミクロ経済学は「個々の消費者・企業の行動」を分析する学問です。診断士1次試験では需要・供給曲線が最頻出テーマ。グラフの形と動きの意味を理解できれば、ほとんどの問題に対応できます。
目次
経済学・経済政策の位置づけ
1
科目目(1日目)
1次試験 1日目の最初に受験
40
問・100点満点
出題数。計算問題が多い科目
60
点以上
科目合格ライン目安(年度により変動)
経済学・経済政策はミクロとマクロに大別されます。今回はミクロの基礎中の基礎、需要曲線・供給曲線・均衡価格を中心に整理します。
需要曲線 ── 「買いたい量」と「価格」の関係
需要曲線(D)は「価格が下がれば需要量が増える」という関係を示します。グラフでは右下がりの曲線として描かれます。
需要曲線(D)
縦軸=価格(P)、横軸=数量(Q)。価格が下がると需要量が増える=右下がりの形
身近な場面で考えてみると
閉店間際のスーパーで、お弁当に半額シールが貼られた瞬間を思い浮かべてみてください。「さっきは買わなかったけど、半額なら買おう」と手が伸びる——これが需要曲線の右下がりを体で感じる瞬間です。価格が下がると、それまで購入しなかった人も買い始めます。
供給曲線 ── 「売りたい量」と「価格」の関係
供給曲線(S)は「価格が上がれば供給量が増える」という関係を示します。グラフでは右上がりの曲線として描かれます。
供給曲線(S)
価格が上がると、供給者はもっと売ろうとする=右上がりの形
身近な場面で考えてみると
野菜の値段が高騰すると、農家は「今年はもっと作ろう」と生産量を増やします。逆に値段が安いと生産する旨みが減り、量を絞ります。価格が上がるほど売り手が多く出てくる——これが供給曲線の右上がりの意味です。
均衡価格 ── DとSが交わる点
需要曲線と供給曲線が交わる点を均衡点(E)といい、そのときの価格を均衡価格(P*)、数量を均衡数量(Q*)と呼びます。市場は自然とこの点に向かっていきます。
需要曲線・供給曲線と均衡点
P*:均衡価格 / Q*:均衡数量 / E:均衡点。市場はこの点に向かって調整される
価格がP*より高いと「供給過多(売れ残り)」が生じ、値下げ圧力がかかります。逆にP*より低いと「需要過多(品不足)」が生じ、値上げ圧力がかかります。こうして市場は自然と均衡点に向かいます。
需要曲線・供給曲線の「シフト」
試験で最頻出なのが曲線の「シフト」です。価格以外の要因が変化すると、曲線全体が左右に動きます。
需要曲線のシフト(D)
右シフト(需要増加)
所得の増加
代替品の値上がり
将来値上がりの予想
嗜好・流行の変化(増加方向)
左シフト(需要減少)
所得の減少
補完財の値上がり
将来値下がりの予想
供給曲線のシフト(S)
右シフト(供給増加)
技術革新・生産効率向上
原材料コストの低下
生産者数の増加
補助金の交付
左シフト(供給減少)
原材料コストの上昇
課税(生産者課税)
天候不順・災害
試験での頻出パターン
頻出①
「需要曲線が右シフトしたとき、均衡価格と均衡数量はどう変化するか」→ 均衡価格は上昇・均衡数量は増加(グラフを描いて確認する習慣をつける)
頻出②
「供給曲線が左シフトしたとき(例:原材料価格が上がった)→ 均衡価格は上昇・均衡数量は減少」コスト増→供給減→価格上昇の流れを押さえる
頻出③
「価格弾力性」概念。需要の価格弾力性=需要量変化率÷価格変化率。弾力性が大きいほど価格変化に敏感。生活必需品は小さく、奢侈品は大きい傾向
頻出④
「上限価格規制・下限価格規制」の効果。上限規制(最高価格)→需要過多・品不足。下限規制(最低価格)→供給過多・余剰が発生
この記事のまとめ
- 需要曲線(D)は右下がり:価格が下がると需要量が増える
- 供給曲線(S)は右上がり:価格が上がると供給量が増える
- 均衡点(E)でP*・Q*が決まる。市場は自動的に均衡に向かう
- 「シフト」は価格以外の要因変化。右シフト=増加、左シフト=減少
- 試験は「シフト→均衡の変化」「価格弾力性」「価格規制の効果」が頻出
U のメモ
グラフを「描く」ようにしてから、ぐっと定着しました。読むだけだとすぐ忘れるのですが、「今日は問題を解く前に自分でD・S・Eを書いてから解く」と決めたら、シフトの方向を間違えることが減りました。
「価格以外の要因」という表現が最初わかりにくかったのですが、「天候・所得・他の商品の値段・流行」と具体例に置き換えると、シフトの方向を考えやすくなりました。
「価格以外の要因」という表現が最初わかりにくかったのですが、「天候・所得・他の商品の値段・流行」と具体例に置き換えると、シフトの方向を考えやすくなりました。



経済学のグラフは最初とっつきにくく感じますが、身近な例に置き換えると急にリアルになります。
次は需要・供給の応用としてIS-LM分析を扱う予定です。一緒に進みましょう。



