ソフトウェア品質特性——ISO/IEC 25010・SQuaRE | 中小企業診断士1次試験 経営情報システム


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「ソフトウェアの”品質”ってどうやって測るの?」「ISO/IEC 25010って名前は聞いたけど、何を覚えればいいの?」試験では8つの品質特性の名称と意味が問われます。なんとなく覚えても混乱しやすいこの分野、具体例と覚え方をセットで整理すれば得点源に変わります。一緒に攻略しましょう。

ISO/IEC 25010は、ソフトウェア品質を体系的に評価するための国際規格です。SQuaRE(System and software Quality Requirements and Evaluation)という品質評価フレームワークの中核をなし、8つの品質特性とそれぞれのサブ特性に分解して品質を測定します。試験では品質特性の名称・定義・具体例の組み合わせ問題、およびSQuaREの概念が問われます。まず8特性の全体像を把握してから個別の深掘りをするのが得点への近道です。

目次

ISO/IEC 25010とは——SQuaREモデルの位置づけ

SQuaRE(スクエア)の概要:「System and software Quality Requirements and Evaluation」の略。ISO/IEC 2500番台の規格群の総称です。ISO/IEC 25010はその中で品質モデル(Quality Model)を定義する規格です。製品品質モデルと利用時品質モデルの2種類があり、中小企業診断士試験では主に製品品質モデルの8特性が問われます。

SQuaREの目的

  • ソフトウェア品質の要求定義を体系化
  • 品質の測定・評価方法を標準化
  • 開発者・発注者・利用者間の共通語彙を提供
  • 品質保証活動を効率化

旧規格との違い

  • 旧:ISO/IEC 9126(6特性)
  • 新:ISO/IEC 25010(8特性)
  • 「互換性」「セキュリティ」が独立した特性として格上げ
  • 2011年に改訂・現在に至る

2つの品質モデル

  • 製品品質モデル:ソフトウェア自体の品質(8特性)
  • 利用時品質モデル:実際の使用場面での品質(5特性)
  • 試験では製品品質モデルが主な出題範囲

8つの品質特性——定義と具体例

機能適合性(Functional Suitability)

明示・暗示された要求に対して、ソフトウェアが必要な機能を正しく提供できる度合い。機能完全性・機能正確性・機能適切性の3サブ特性を持つ。

例:会計ソフトが消費税の計算を正確に行えるか

性能効率性(Performance Efficiency)

使用するリソース(時間・CPU・メモリ等)の量と比較したパフォーマンスの度合い。時間効率性・資源効率性・容量満足性の3サブ特性。

例:1,000件の検索を0.5秒以内に返すか

互換性(Compatibility)

同一環境で他の製品や構成部品と情報交換・機能連携できる度合い。共存性・相互運用性の2サブ特性。

例:新システムが旧システムのCSVデータを読み込めるか

使いやすさ(Usability)

指定された利用状況で、目標達成のために製品を有効・効率的・満足いく形で使える度合い。適切認識性・学習性・操作性等6サブ特性。

例:初めてのユーザーが10分以内に基本操作を習得できるか

信頼性(Reliability)

指定条件下で指定期間、機能を維持し続ける度合い。成熟性・可用性・障害許容性・回復性の4サブ特性。

例:システムが年間99.9%の稼働率を維持するか

セキュリティ(Security)

認可されたアクセス制限を守りながらデータを保護する度合い。機密性・インテグリティ・否認防止性・責任追跡性・真正性の5サブ特性。

例:不正ユーザーが個人情報にアクセスできないか

保守性(Maintainability)

意図した保守者によって、製品を修正・改善できる有効性・効率性の度合い。モジュール性・再利用性・解析性・修正性・試験性の5サブ特性。

例:バグ修正が他の箇所に影響しないか

移植性(Portability)

別の環境・OS・ハードウェアへ移植・転用できる有効性・効率性の度合い。適応性・設置性・置換性の3サブ特性。

例:Windows版アプリをmacOSへ移植する際の作業量が最小か

品質特性の比較表——覚え方と試験頻出ポイント

品質特性一言定義試験での問われ方旧規格(ISO 9126)との対応
機能適合性必要な機能を正しく持っているか「要求仕様を満たす機能の完全性」を問う設問機能性(旧)に対応
性能効率性処理速度・リソース使用が適切か「1秒以内に応答」等の数値が登場する問題効率性(旧)に対応
互換性他システムと連携・共存できるかデータ連携・APIの問題で登場新設(旧:機能性のサブ)
使いやすさユーザーが簡単・快適に使えるか「UI設計・学習コスト」の文脈で登場使用性(旧)に対応
信頼性障害なく動き続けられるか「稼働率・MTBF・MTTR」と組み合わせて出題信頼性(旧)に対応
セキュリティ不正アクセス・改ざんを防げるか「機密性・完全性・可用性(CIA)」との絡み新設(旧:機能性のサブ)
保守性修正・改善が容易か「コードの変更容易性・テスト容易性」が問われる保守性(旧)に対応
移植性別環境へ移しやすいか「クラウド移行・OS変更コスト」の文脈移植性(旧)に対応
試験でよく混同される2点:
「互換性」と「移植性」——互換性は同一環境での他製品との共存・連携、移植性は別の環境への転用・移行。「相互運用できるか」=互換性、「別のOSで動かせるか」=移植性と覚えましょう。
「信頼性」と「性能効率性」——信頼性は継続稼働の可否、性能効率性は処理速度・リソース効率。「落ちないか」=信頼性、「速いか」=性能効率性です。

ISO/IEC 25010 vs 旧規格ISO/IEC 9126——変更点まとめ

ISO/IEC 9126(旧:6特性)ISO/IEC 25010(新:8特性)変更内容
機能性機能適合性名称変更・セキュリティと互換性を分離
効率性性能効率性名称変更
互換性(新設)旧「機能性」のサブから独立した特性へ
使用性使いやすさ名称変更・サブ特性が充実
信頼性信頼性サブ特性の見直し
セキュリティ(新設)旧「機能性」のサブから独立した特性へ
保守性保守性サブ特性が5つに整理
移植性移植性サブ特性の見直し
試験対策の重要ポイント:
旧規格ISO/IEC 9126では「機能性」の中に含まれていた「セキュリティ」と「互換性」が、ISO/IEC 25010で独立した特性(特性の格上げ)になっています。「旧規格では何特性だったか」「新規格で追加されたのは何か」という問い方が試験に登場します。互換性・セキュリティが新設の2特性と覚えましょう。

サブ特性の詳細——保守性・信頼性・セキュリティを深掘り

信頼性のサブ特性(4つ)

  • 成熟性:通常操作での欠陥・故障の少なさ
  • 可用性:必要時に使用できる状態にある度合い
  • 障害許容性:障害発生時も機能を維持する度合い
  • 回復性:障害後に元の状態・データを回復できる度合い

保守性のサブ特性(5つ)

  • モジュール性:構成要素変更が他に影響しない度合い
  • 再利用性:コンポーネントを他システムで再利用できる度合い
  • 解析性:欠陥・変更影響を診断できる度合い
  • 修正性:欠陥・不具合を修正できる度合い
  • 試験性:テスト基準を確立・実施できる度合い

セキュリティのサブ特性(5つ)

  • 機密性:アクセス権者のみデータアクセス可能な度合い
  • インテグリティ:不正アクセス・改ざんを防ぐ度合い
  • 否認防止性:操作・事象を否定できないよう証明できる度合い
  • 責任追跡性:動作を一意に追跡できる度合い
  • 真正性:主体・資源が正当であると証明できる度合い

利用時品質モデルの5特性

利用時品質(Quality in Use)とは:実際の利用状況でユーザーが目標を達成する際の品質を測るモデルです。製品品質(ソフトウェア自体の特性)と区別して理解しましょう。試験では近年出題が増えています。
利用時品質特性内容
有効性(Effectiveness)ユーザーが目標を正確・完全に達成できる度合い
効率性(Efficiency)目標達成に要するリソース(時間・労力等)の度合い
満足性(Satisfaction)利用者のニーズを満足させる度合い(有用性・信頼性・快楽性・快適性)
リスク回避性(Freedom from Risk)経済・人間・社会等へのリスクを軽減する度合い
コンテキストカバレッジ(Context Coverage)指定された全利用状況で目標を達成できる度合い

品質特性の覚え方——語呂合わせと連想法

8特性の頭文字まとめ:「機・性・互・使・信・セ・保・移」
機能適合性・性能効率性・互換性・使いやすさ・信頼性・セキュリティ・保守性・移植性。
連想フレーズ:「きちんと性能・互いに使いやすく・信頼とセキュリティ・保ち移す」
特性名連想キーワード試験での典型問題文
機能適合性「できる」「正確」「完全」「要求仕様に定められた全機能を備えている」
性能効率性「速い」「軽い」「リソース」「1,000件の処理を2秒以内に完了する」
互換性「つながる」「共存」「データ交換」「既存システムとデータ連携が可能である」
使いやすさ「簡単」「直感的」「学習不要」「初心者が操作方法を習得しやすい」
信頼性「落ちない」「稼働率」「障害許容」「障害発生時にも主要機能を継続できる」
セキュリティ「守る」「認証」「不正アクセス防止」「権限のないユーザーはデータにアクセスできない」
保守性「直せる」「変えやすい」「テストしやすい」「バグ修正が他の機能に影響を与えにくい」
移植性「移せる」「別OS」「クラウド移行」「WindowsからLinux環境への移行が容易である」

頻出過去問パターンとポイント

出題パターン①:定義→特性名

  • 「障害が発生しても機能を維持できる特性は」→信頼性(障害許容性)
  • 「不正アクセスからデータを保護する特性は」→セキュリティ
  • 「他の環境・OSへ移行しやすい特性は」→移植性

出題パターン②:特性名→具体例の正誤

  • 「可用性とはシステムが必要時に利用できることである」→○(信頼性のサブ)
  • 「移植性とは他システムとデータ交換できることである」→×(それは互換性)
  • 「モジュール性とは保守性のサブ特性である」→○

出題パターン③:SQuaRE・旧規格との比較

  • 「ISO/IEC 9126(6特性)にはなかった特性は」→互換性・セキュリティ
  • 「製品品質モデルの特性は何個か」→8個
  • 「SQuaREは何番台の規格群か」→2500番台

まとめ——ISO/IEC 25010の試験対策チェックリスト

得点のための確認ポイント

  • ISO/IEC 25010の8品質特性の名称をすべて言えるか
  • 「互換性」と「移植性」を説明上で区別できるか
  • 「信頼性」と「性能効率性」の違いを説明できるか
  • 旧規格(ISO/IEC 9126の6特性)から何が追加されたか言えるか
  • 保守性の5サブ特性・信頼性の4サブ特性を列挙できるか
  • SQuaREとは何の略かを理解しているか
  • 製品品質モデルと利用時品質モデルの違いを説明できるか
ISO/IEC 25010とJIS規格は同じですか?
ISO/IEC 25010はJIS X 25010として日本語版が制定されています。内容はほぼ同一です。試験問題では「ISO/IEC 25010」または「JIS X 25010」どちらの表記でも出題されますが、同じ規格を指しています。
「可用性」は信頼性の中に入るのですか?
はい、ISO/IEC 25010では「可用性(Availability)」は信頼性のサブ特性の一つです。「必要な時に使用できる状態である度合い」を指します。一方、セキュリティのCIA(機密性・完全性・可用性)における可用性は概念が似ていますが文脈が異なります。試験では「どの特性のサブか」を問われることがあるので注意しましょう。
保守性と信頼性は何が違うのですか?
保守性は「修正・改善のしやすさ」、信頼性は「障害なく動き続ける能力」です。信頼性は「障害が起きにくいか・起きても回復できるか」という稼働継続の観点、保守性は「バグを直しやすいか・コードを変更しやすいか」という開発・運用者の作業効率の観点です。両者は補完関係にあります。
SQuaREの規格体系の番号は覚える必要がありますか?
中小企業診断士試験のレベルでは、「2500番台の規格群の総称」「25010が品質モデル」という理解で十分です。個々の規格番号の詳細な暗記は不要です。まずは品質特性8つをしっかり理解することを優先しましょう。

ISO/IEC 25010の8品質特性は、ソフトウェアを「あらゆる角度から評価する共通言語」です。試験では定義と具体例のマッチング、旧規格との差分、サブ特性の帰属先という3パターンで問われます。「互換性・セキュリティが新設」「保守性のサブは5つ・信頼性のサブは4つ」という数字も含めて確実に身につけておきましょう。

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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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