ISO14001・環境管理まとめ|3R・省エネ・PDCAを図解で整理

高頻度難易度 ★★☆

環境管理は、1次試験の運営管理で近年出題頻度が高まっているテーマだ。ISO14001による環境マネジメントシステム、3R(廃棄物削減)、省エネ法、LCAなど、企業の環境対応に関する知識が問われる。CSR・ESGとの関連も押さえておくとよい。

目次

環境マネジメントシステム(EMS)とは

EMSの目的
環境負荷の継続的改善
  • 企業活動による環境への影響(環境側面)を特定・管理する仕組み
  • 規制への対応だけでなく、自主的な改善目標を設定して継続的に取り組む
  • ISO14001はEMSの国際規格。第三者認証を受けることで取引先・社会への信頼性を示せる
  • 2015年改訂版ではリスク・機会の管理とライフサイクル思考が強化された

ISO14001のPDCAサイクル
4段階で継続的改善を回す
  • Plan:環境側面の特定・目標設定・実施計画の策定
  • Do:計画の実施・運用(訓練・手順書・緊急事態への準備)
  • Check:パフォーマンス評価・内部監査・不適合の是正
  • Act:マネジメントレビュー・システムの改善

3Rと廃棄物管理

廃棄物削減の優先順位は3Rで示される。最近では4R(Refuse:発生回避)・5R(Repair:修理)と拡張される場合もあるが、試験では3Rが基本。

優先度 高
Reduce
発生抑制
廃棄物をそもそも出さないように生産・消費量を減らす

優先度 中
Reuse
再使用
使用済み製品・部品をそのまま繰り返し使う(洗って使い直す等)

優先度 低
Recycle
再資源化
廃棄物を原材料として再び資源に戻す(マテリアルリサイクル等)

最終手段
適正処分
3Rで対処できない廃棄物を適正に焼却・埋立処分する

法律・制度 対象 主な義務
廃棄物処理法 一般廃棄物・産業廃棄物 排出事業者責任(マニフェスト制度による処理委託の追跡義務)
資源有効利用促進法
(旧リサイクル法)
特定業種・製品 3Rの推進・副産物の有効利用・リサイクルしやすい設計
容器包装リサイクル法 PETボトル・段ボール等 消費者が分別・市区町村が収集・事業者が再商品化費用を負担
家電リサイクル法 エアコン・TV・冷蔵庫・洗濯機 消費者が排出時にリサイクル料金を負担。メーカーが再資源化

省エネ法とLCA

省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)
エネルギー管理の義務付け
  • 特定事業者:エネルギー使用量が原油換算1,500kL/年以上の工場等
  • エネルギー管理士の選任・省エネ計画書の提出義務
  • ベンチマーク制度:業種ごとのエネルギー効率目標を設定
  • 省エネ性能表示(トップランナー基準):冷蔵庫・エアコン等に適用
  • 2023年改正で「非化石エネルギーへの転換」義務も追加

LCA(ライフサイクルアセスメント)
製品の一生を通じた環境影響を評価
  • 原料採取 → 製造 → 流通 → 使用 → 廃棄までの全段階で環境負荷を定量化
  • CO₂排出量・資源消費量・水使用量などを評価指標として使う
  • ISO14040・14044シリーズで手法が標準化されている
  • スコープ1(直接排出)・スコープ2(間接排出)・スコープ3(サプライチェーン全体)の区分と関連

環境会計とは:企業が環境保全のためにかけたコストと、それによって得られた効果(環境保全効果・経済的効果)を測定・報告する仕組み。環境省のガイドラインに基づき「環境活動コスト」を事業エリア内・上流・下流に分類して報告する。

過去問で確認する

令和3年度 第31問(運営管理)改題

3Rに関する記述として最も適切なものはどれか。

(ア)Reduceとは廃棄物を原材料として再び利用することを指す。(イ)3Rの優先順位はRecycle・Reuse・Reduceの順である。(ウ)Reuseとは使用済みの製品や容器をそのまま繰り返し使用することである。(エ)Recycleは廃棄物を発生させないように使用量を減らすことを指す。
解答:(ウ)

Reuse(再使用)は洗って再び使うなど、形を変えずに繰り返し使用すること。(ア)は Recycle の説明。(イ)優先順位は Reduce(最高)→ Reuse → Recycle。(エ)は Reduce の説明。

令和元年度 第29問(運営管理)改題

ISO14001に関する記述として最も適切なものはどれか。

(ア)ISO14001は製品の品質管理に関する国際規格である。(イ)ISO14001の認証を取得すれば、環境法規制の遵守が自動的に証明される。(ウ)ISO14001はPDCAサイクルに基づいた環境マネジメントシステムの国際規格である。(エ)ISO14001の認証は政府機関のみが付与できる。
解答:(ウ)

ISO14001は環境マネジメントシステム(EMS)に関する規格で、PDCAサイクルに基づいた継続的改善を要求する。(ア)品質管理はISO9001。(イ)認証は規制遵守の証明ではなく、EMSの仕組みが整っていることの証明。(エ)第三者認証機関(民間)が審査・認証する。

平成28年度 第28問(運営管理)改題

LCA(ライフサイクルアセスメント)に関する記述として最も適切なものはどれか。

(ア)LCAは製品の製造工程のみの環境負荷を評価する手法である。(イ)LCAはISO14040・14044シリーズで手法が国際標準化されている。(ウ)LCAでは環境負荷をコストに換算して財務的影響のみを評価する。(エ)LCAは廃棄物の量のみを評価指標とする。
解答:(イ)

LCAの実施手順はISO14040(原則・枠組み)とISO14044(要求事項・指針)で規格化されている。(ア)製造工程だけでなく、原料採取から廃棄までの全ライフサイクルが対象。(ウ)コスト換算ではなく物量(CO₂・資源量等)で評価。(エ)CO₂・水・資源など複数の指標を使う。

この記事のまとめ

  • ISO14001はEMSの国際規格。PDCAサイクルで継続的改善を行う
  • 3Rの優先順位:Reduce(最高)→ Reuse → Recycle、それでも対処できない場合に適正処分
  • 省エネ法の特定事業者は原油換算1,500kL/年以上。エネルギー管理士の選任義務
  • LCAは原料から廃棄までの全ライフサイクルで環境負荷を定量評価。ISO14040/14044で標準化
  • 環境会計はコストと効果を定量化して報告する仕組み。ESG投資の観点からも重要性が増している
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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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