環境管理は、1次試験の運営管理で近年出題頻度が高まっているテーマだ。ISO14001による環境マネジメントシステム、3R(廃棄物削減)、省エネ法、LCAなど、企業の環境対応に関する知識が問われる。CSR・ESGとの関連も押さえておくとよい。
環境マネジメントシステム(EMS)とは
- 企業活動による環境への影響(環境側面)を特定・管理する仕組み
- 規制への対応だけでなく、自主的な改善目標を設定して継続的に取り組む
- ISO14001はEMSの国際規格。第三者認証を受けることで取引先・社会への信頼性を示せる
- 2015年改訂版ではリスク・機会の管理とライフサイクル思考が強化された
- Plan:環境側面の特定・目標設定・実施計画の策定
- Do:計画の実施・運用(訓練・手順書・緊急事態への準備)
- Check:パフォーマンス評価・内部監査・不適合の是正
- Act:マネジメントレビュー・システムの改善
3Rと廃棄物管理
廃棄物削減の優先順位は3Rで示される。最近では4R(Refuse:発生回避)・5R(Repair:修理)と拡張される場合もあるが、試験では3Rが基本。
発生抑制
再使用
再資源化
| 法律・制度 | 対象 | 主な義務 |
|---|---|---|
| 廃棄物処理法 | 一般廃棄物・産業廃棄物 | 排出事業者責任(マニフェスト制度による処理委託の追跡義務) |
| 資源有効利用促進法 (旧リサイクル法) |
特定業種・製品 | 3Rの推進・副産物の有効利用・リサイクルしやすい設計 |
| 容器包装リサイクル法 | PETボトル・段ボール等 | 消費者が分別・市区町村が収集・事業者が再商品化費用を負担 |
| 家電リサイクル法 | エアコン・TV・冷蔵庫・洗濯機 | 消費者が排出時にリサイクル料金を負担。メーカーが再資源化 |
省エネ法とLCA
- 特定事業者:エネルギー使用量が原油換算1,500kL/年以上の工場等
- エネルギー管理士の選任・省エネ計画書の提出義務
- ベンチマーク制度:業種ごとのエネルギー効率目標を設定
- 省エネ性能表示(トップランナー基準):冷蔵庫・エアコン等に適用
- 2023年改正で「非化石エネルギーへの転換」義務も追加
- 原料採取 → 製造 → 流通 → 使用 → 廃棄までの全段階で環境負荷を定量化
- CO₂排出量・資源消費量・水使用量などを評価指標として使う
- ISO14040・14044シリーズで手法が標準化されている
- スコープ1(直接排出)・スコープ2(間接排出)・スコープ3(サプライチェーン全体)の区分と関連
過去問で確認する
3Rに関する記述として最も適切なものはどれか。
Reuse(再使用)は洗って再び使うなど、形を変えずに繰り返し使用すること。(ア)は Recycle の説明。(イ)優先順位は Reduce(最高)→ Reuse → Recycle。(エ)は Reduce の説明。
ISO14001に関する記述として最も適切なものはどれか。
ISO14001は環境マネジメントシステム(EMS)に関する規格で、PDCAサイクルに基づいた継続的改善を要求する。(ア)品質管理はISO9001。(イ)認証は規制遵守の証明ではなく、EMSの仕組みが整っていることの証明。(エ)第三者認証機関(民間)が審査・認証する。
LCA(ライフサイクルアセスメント)に関する記述として最も適切なものはどれか。
LCAの実施手順はISO14040(原則・枠組み)とISO14044(要求事項・指針)で規格化されている。(ア)製造工程だけでなく、原料採取から廃棄までの全ライフサイクルが対象。(ウ)コスト換算ではなく物量(CO₂・資源量等)で評価。(エ)CO₂・水・資源など複数の指標を使う。
この記事のまとめ
- ISO14001はEMSの国際規格。PDCAサイクルで継続的改善を行う
- 3Rの優先順位:Reduce(最高)→ Reuse → Recycle、それでも対処できない場合に適正処分
- 省エネ法の特定事業者は原油換算1,500kL/年以上。エネルギー管理士の選任義務
- LCAは原料から廃棄までの全ライフサイクルで環境負荷を定量評価。ISO14040/14044で標準化
- 環境会計はコストと効果を定量化して報告する仕組み。ESG投資の観点からも重要性が増している

