JIT生産・かんばん方式まとめ|トヨタ生産方式の仕組みを図解で整理

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運営管理で「JIT(ジャスト・イン・タイム)」が出てきたとき、「必要なものを必要なときに必要なだけ作る」というシンプルな定義の裏に、かんばん・平準化・自働化など複数の仕組みが組み合わさっていることを知って驚きました。トヨタ生産方式は、一つの工夫が別の仕組みを支えるように設計されていて、全体像を把握するとすごくすっきりします。

高頻度難易度 ★★☆
目次

トヨタ生産方式(TPS)の全体像

JIT(Just In Time)は、トヨタ生産方式(TPS)の2本柱のひとつです。TPSは「ムダの徹底排除」と「モノの流れの最適化」を追求する生産思想で、世界中の製造業のベンチマークとなっています。

目標:最高品質・最低コスト・最短リードタイム
JIT(ジャスト・イン・タイム)

必要なものを、必要なときに、必要なだけ供給する。在庫ゼロを目指す後工程引き取り方式

自働化(ニンベンのある自動化)

異常が発生したとき、機械が自動的に停止して人間に知らせる仕組み。品質問題の流出を防ぐ

基盤:平準化生産・標準作業・改善(カイゼン)

JITの3原則

① 後工程引き取り方式:後の工程が必要な分だけ前の工程から引き取る(プル方式)。前工程が先読みで作り込む「押し込み方式(プッシュ)」とは逆
② 流れ生産(1個流し):ロットを小さくして1個ずつ流す。仕掛在庫を最小化
③ タクトタイム:1個の製品を作るべき時間の目標値。タクトタイム=稼働時間÷必要数

かんばん方式の仕組み

かんばんは、JITを実現するための情報ツールです。「いつ・どこで・何を・いくつ作るか(運ぶか)」を記載したカードで、工程間の生産指示・運搬指示を制御します。

後工程部品を使用
かんばん発行引き取り指示
前工程かんばん分だけ生産
後工程へ運搬かんばん添付

かんばんの2種類

種類役割流れる場所
引き取りかんばん後工程が前工程から部品を引き取る指示工程間の運搬・在庫スペース
生産指示かんばん前工程がどれだけ生産すべきかの指示前工程の生産現場
かんばんの枚数 = 仕掛在庫量
かんばんの枚数を減らす → 仕掛在庫が減る → 問題(ムダ・不良)が顕在化する
→ トヨタは意図的にかんばん枚数を減らして問題を「見える化」し、改善につなげる

平準化生産

JITを安定的に運用するために、平準化生産(生産量・生産品種を均等に分散させること)が不可欠です。

  • 量の平準化:毎日同じ量を生産することで、部品調達・人員配置を安定させる
  • 品種の平準化(混流生産):複数品種を少量ずつ混ぜて生産。特定品種への偏りをなくす
  • :A製品100台/日をまとめて作るのではなく、A×50+B×30+C×20を毎日繰り返す

7つのムダ(TPSの改善対象)

① 作り過ぎのムダ

最大のムダ。必要以上に作ることで在庫・運搬・不良などすべてのムダを引き起こす

② 手持ちのムダ

作業者が機械の完了や部品待ちで何もしていない時間

③ 運搬のムダ

必要のない移動・運搬。レイアウト最適化で削減できる

④ 加工のムダ

品質や機能に貢献しない不必要な加工・工程

⑤ 在庫のムダ

必要以上の材料・仕掛品・完成品の保有。キャッシュを固定化させる

⑥ 動作のムダ

作業中の不必要な動き。標準作業の整備で排除できる

⑦ 不良・手直しのムダ

不良品の発生・修正に費やす工数。自働化で流出を防ぐ

JIT vs MRP(比較)

比較項目JIT(かんばん方式)MRP(資材所要量計画)
方式プル型(後工程引き取り)プッシュ型(需要予測から前工程が計算)
在庫方針ゼロ在庫を目指す安全在庫を計画的に持つ
適した環境品種が限られ需要が安定している製造業複雑な部品構成・多品種少量生産
代表例自動車・家電の大量生産航空機・機械設備の受注生産

過去問で確認する

  • JIT(ジャスト・イン・タイム)の説明として最も適切なものはどれか。ア)需要予測をもとに前工程が計画的に生産するプッシュ型の生産方式 イ)後工程が必要な分だけ前工程から引き取るプル型の生産方式 ウ)在庫を多めに持つことで欠品リスクをゼロにする生産方式 エ)各工程が独立して生産計画を立てる分散型の生産管理方式正解:イ
  • かんばん方式において、かんばん枚数を減らした場合の効果として正しいものはどれか。R3年度 類題
  • トヨタ生産方式の「7つのムダ」のうち「作り過ぎのムダ」が最大のムダとされる理由を述べよ。H30年度 類題

まとめ

JIT:必要なものを必要なときに必要なだけ供給。後工程引き取り(プル方式)
かんばん:引き取りかんばん(運搬指示)+生産指示かんばんの2種類。枚数=仕掛在庫量
平準化生産:JITを支える基盤。量と品種を均等分散させる
7つのムダ:作り過ぎ・手持ち・運搬・加工・在庫・動作・不良。作り過ぎが最大のムダ

関連記事:生産形態 MRP・BOM ライン編成 TQM・品質管理

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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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