景品表示法 | 中小企業診断士1次試験 経営法務

U

先日、スーパーのチラシで「地域最安値!」という大きな文字を見かけました。でも、ふと思ったんです——これって根拠はあるのかな、と。景品表示法を学んでから、街中の広告が少し違って見えるようになりました。

景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者が誤った認識で購入判断をしないよう、事業者の広告・景品に関するルールを定めた法律です。1962年制定、消費者庁が所管しています。

診断士試験では「2つの不当表示」と「景品類の上限額」が繰り返し問われます。数字を含むため、比較表で整理しておくのが得点への近道です。

2
類型
不当表示の禁止パターン(優良誤認・有利誤認)
3%
課徴金率
違反行為に係る売上高に対して課される(2016年導入)
2%
懸賞総額上限
一般懸賞:懸賞に係る売上予定総額の2%以下
目次

2つの禁止表示:優良誤認と有利誤認

景品表示法が禁じる「不当表示」には大きく2種類あります。品質に関する嘘か、価格・条件に関する嘘か——この軸で整理すると覚えやすくなります。

優良誤認表示

QUALITY MISREPRESENTATION

商品・サービスの品質・規格・その他の内容について、実際よりも著しく優れていると誤認させる表示

「国産牛100%使用」(実際は輸入牛混入)
根拠のない「No.1」「最高品質」表示
「医師推奨」(推奨した医師は1名のみ)
有利誤認表示

PRICE MISREPRESENTATION

商品・サービスの価格・その他の取引条件について、実際よりも著しく有利と誤認させる表示

根拠のない「業界最安値」「地域最低価格」
架空の二重価格(「通常10,000円→今だけ3,000円」)
比較広告(根拠のない競合比較)
「著しく」のポイント
多少の誇張(「おいしい!」など)は許容されます。問題になるのは一般消費者が合理的に誤解する程度に実態とかけ離れている場合です。

有利誤認の核心:二重価格表示の罠

有利誤認の中で特に試験に出やすいのが二重価格表示です。「通常価格××円→特別価格○○円」というチラシの表示、一度は目にしたことがあるはずです。

二重価格表示が問題になるケース
比較対照価格(「通常価格」)として示す価格は、最近相当期間にわたって販売されていた価格でなければなりません。

たとえば、1日しか「通常価格」で販売しておらず、その後ずっと「特別価格」で売り続けているような場合は、有利誤認に該当する可能性があります。

目安:最近8週間のうち、同じ店舗で通算4週間以上その価格で販売していたこと。

また「希望小売価格」との比較も問題になることがあります。メーカーが設定した希望価格で実際に販売していない場合、「定価○○円→当店特価」は消費者に誤った安さの印象を与えます。

U

「え、あのチラシってそういう仕組みだったのか…」と気づいた瞬間、景品表示法が急にリアルになりました。法律の条文より、身近な例を先に知るほうが頭に入りますね。

景品類の規制:総付景品・懸賞の上限額

景品表示法は「広告の嘘」だけでなく、景品(おまけ・プレゼント)にも上限を設けています。「景品が豪華すぎて品質より景品目当てで買ってしまう」ことを防ぐためです。

景品類の定義:①取引付随性(商品・サービスの取引に付随)、②経済上の利益(金銭・物品等)、③顧客誘引性(顧客を誘引するための手段)——この3要件をすべて満たすものが「景品類」として規制対象になります。

景品の種類提供方法最高額総額
総付景品(ベタ付け) 購入者全員に提供 取引価額が1,000円未満:200円以下
1,000円以上:取引価額の10分の1以下
制限なし
一般懸賞 くじ・抽選等 取引価額の20倍(上限10万円) 売上予定総額の2%以下
共同懸賞 複数業者が共同で実施 30万円 売上予定総額の3%以下
オープン懸賞 購入不要の懸賞 制限なし 制限なし
オープン懸賞が制限なしの理由
オープン懸賞は「商品を買わなくても応募できる」形式のため、取引付随性がなく景品類に該当しません。よってそもそも景品表示法の規制対象外です。この論理を理解しておくと混乱しません。

課徴金制度(2016年導入)

2016年の法改正で、不当表示を行った事業者に対して課徴金が課されるようになりました。罰則の実効性を高めるための改正です。

3%
課徴金率
違反行為に係る売上高(最大3年分)の3%
150万円
最低額
課徴金額が150万円未満の場合は課さない

課徴金の流れ:消費者庁が調査→措置命令→課徴金納付命令(違反行為期間は最大3年さかのぼる)

自主申告による減額:違反事業者が自ら消費者庁に報告すれば課徴金が2分の1に減額されます(課徴金減額制度)。

スーパーのチラシで考えてみると

あなたが近所のスーパーのチラシを眺めているとします。こんな表示が並んでいました。

①「産地直送 最高級和牛使用」
②「地域最安値!どこよりも安い!」
③「通常2,000円 → 本日限り980円!」
④「お買い上げ1,000円ごとに粗品プレゼント(粗品の価格:800円相当)」
⑤「抽選で10名様に10万円分の旅行券プレゼント!(ご購入不要・ハガキで応募)」

表示問題の有無理由
①「最高級和牛」根拠がなければ違反優良誤認(品質の誇張)
②「地域最安値」根拠がなければ違反有利誤認(価格の誇張)
③二重価格条件次第で違反「通常2,000円」の根拠が必要(8週間のうち4週間以上の実績など)
④粗品800円相当違反総付景品の上限超過。1,000円購入→上限100円(取引価額の10分の1)
⑤購入不要の懸賞問題なしオープン懸賞のため景品類に非該当(制限なし)
U

④の粗品の件、「1,000円のお買い物に800円の粗品」って一見太っ腹に見えますが、実は違反なんですね。上限は取引価額の10分の1、つまり100円以下。この数字、試験にも出るので覚えておきたいです。

試験頻出ポイントのまとめ

  • 不当表示の2類型:優良誤認(品質)・有利誤認(価格・取引条件)
  • 総付景品の上限:1,000円未満→200円以下、1,000円以上→取引価額の10分の1以下
  • 一般懸賞:最高額は取引価額の20倍(上限10万円)、総額は売上予定総額の2%以下
  • 共同懸賞:最高額30万円、総額は売上予定総額の3%以下
  • オープン懸賞:景品類に非該当のため制限なし(取引付随性がない)
  • 課徴金:違反行為に係る売上高の3%(2016年導入、最低額150万円)
  • 所管:消費者庁(公正取引委員会から2009年移管)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

目次