ISO9001・ISO14001入門|品質・環境マネジメントシステムを図解で整理

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ISOって聞いたことはあるけど、試験でどう問われるのかよくわからなかったんですよね。ISO9001は品質、ISO14001は環境……と表面的には知っていても、「PDCAとの関係は?」「取得するメリットは何?」という実態がつかみにくくて。整理してみたら、意外とシンプルな構造でした。

高頻度難易度 ★★☆
目次

ISOとは何か

ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)は、製品・サービス・プロセスの品質・安全性・効率性に関する国際規格を策定する機関です。本社はスイス・ジュネーブ。現在170か国以上が加盟しています。

中小企業診断士の試験では、特にISO9001(品質マネジメントシステム)ISO14001(環境マネジメントシステム)が頻出です。

マネジメントシステムとは
製品を作るのではなく、組織の仕組みそのものを規格化・改善するための枠組み。「何を作るか」ではなく「どのように管理・改善するか」が対象。PDCAサイクルに基づいて継続的改善を義務付けている。

ISO9001とISO14001の比較

ISO9001:品質マネジメントシステム
最新版:ISO9001:2015(2015年改訂)

目的:顧客満足の向上と品質の継続的改善

対象:製造業・サービス業を問わず全業種

主な要求事項:プロセスアプローチ・リスク思考・文書化された情報

特徴:取引先から取得を求められることが多い(サプライチェーン上の要件)

ISO14001:環境マネジメントシステム
最新版:ISO14001:2015(2015年改訂)

目的:環境影響の低減と継続的改善

対象:全業種・全規模(製造業での取得が多い)

主な要求事項:環境側面の特定・法規制の遵守・緊急事態への備え

特徴:公共調達や大企業との取引で取得を求められる場面がある

PDCAサイクルとの関係

ISOのマネジメントシステムは、PDCAサイクルを組織全体で回す仕組みです。ISO9001:2015およびISO14001:2015では共通の「高レベル構造(HLS)」が採用されており、両者は構造的に非常に似ています。

P
Plan(計画)
目標・プロセス・資源の計画。リスクと機会の特定
D
Do(実施)
計画に従った運用・プロセスの実行
C
Check(評価)
監視・測定・分析・評価。内部監査・マネジメントレビュー
A
Act(改善)
不適合への対処・是正処置・継続的改善

ISO認証取得のプロセス

1
マネジメントシステムの構築
規格要求事項に合わせた文書化・手順書の整備。社内教育・意識付けを実施
2
内部監査の実施
自社内でシステムが正しく機能しているか確認。問題点を事前に洗い出す
3
マネジメントレビュー
トップマネジメントがシステム全体を評価し、改善指示を出す
4
第三者審査機関による審査
認定された審査機関が文書審査(ステージ1)→現地審査(ステージ2)を実施
5
認証取得・維持
認証後は定期的なサーベイランス審査(年1〜2回)と3年ごとの更新審査が必要

取得のメリット・デメリット

ISO9001ISO14001
主なメリット・取引先・顧客の信頼向上
・業務プロセスの標準化
・入札参加条件を満たす
・ESG投資対応・企業イメージ向上
・コスト削減(省エネ・廃棄物削減)
・法令違反リスクの低減
主なデメリット・初期費用・審査費用の負担
・文書・記録の管理工数
・形骸化リスク
・上記と同様
・環境側面の特定・測定が煩雑な業種もある
向いている企業製造業・建設業・IT・医療など取引上の要件がある業種製造業・建設業・輸送業など環境負荷が大きい業種

その他の関連ISO規格

  • ISO45001(労働安全衛生):職場の安全・健康リスクを管理。OHSAS18001の後継
  • ISO27001(情報セキュリティ):情報資産の機密性・完全性・可用性を守る仕組み
  • ISO50001(エネルギーマネジメント):エネルギー使用量の継続的改善
  • IATF16949(自動車産業品質):ISO9001の自動車産業特化版
試験でよく問われるポイント
・ISO9001=品質、ISO14001=環境の対応関係
・PDCAサイクルが基盤になっていること
・認証取得は義務ではなく任意(第三者審査機関の審査が必要)
・最新版は両者とも2015年版で「高レベル構造(HLS)」を採用

過去問で確認する

  • ISO9001に関する記述として最も適切なものはどれか。ア)政府が義務付けた製品安全基準 イ)品質マネジメントシステムの国際規格 ウ)環境への負荷低減を目的とした規格 エ)労働安全衛生に関する規格正解:イ
  • ISO14001の認証取得に関する記述として適切なものはどれか。ア)製品の品質基準を満たすことが審査の主目的 イ)環境への影響を管理するシステムを構築していることを第三者が認証する ウ)取得は法律で義務付けられている エ)一度取得すれば更新審査は不要正解:イ
  • ISOのマネジメントシステムに共通するPDCAサイクルにおいて「C(Check)」に該当する活動として適切なものを述べよ。H29年度 類題

まとめ

ISO9001:品質マネジメントシステム。顧客満足向上と継続的改善が目的。全業種対象
ISO14001:環境マネジメントシステム。環境影響の低減と法令遵守が目的
共通の構造:PDCAサイクルを組織全体で回す。2015年版から高レベル構造(HLS)で統一
認証の流れ:システム構築→内部監査→マネジメントレビュー→第三者審査→維持・更新

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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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