ネットワーク基礎(OSI参照モデル・TCP/IP・IPアドレス)| 中小企業診断士1次試験 経営情報システム

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過去問を解いていて「OSI参照モデルの第4層はどれか」という問題に手が止まりました。7層を丸暗記しようとしてもなかなか定着しない。そこで「手紙を送る工程」に当てはめてみたところ、各層の役割がするっと頭に入ってきました。

中小企業診断士1次試験の経営情報システムでは、ネットワーク基礎は毎年必ず出題される最重要テーマです。OSI参照モデルの7層・TCP/IP・IPアドレス・主要プロトコルを整理しておくだけで、この分野の問題を安定して得点できます。

「7層の名前は覚えたけれど役割がぼんやりしている」という方のために、「手紙を郵便で送る工程」という身近な比喩を軸に整理しました。

7
OSI参照モデルの階層数
4
TCP/IPプロトコルスタック
32
bit
IPv4アドレスのビット数
5
種類
主要ネットワーク機器の層
目次

OSI参照モデル7層と「手紙の旅」

OSI参照モデルは、ネットワーク通信の機能を7つの層(レイヤー)に分類した国際標準です。上位層ほど「人に近い」、下位層ほど「物理的な電気信号に近い」イメージです。

手紙を郵便で送る工程と対応させると、各層の役割が直感的に理解できます。

名称 役割 手紙の比喩 代表プロトコル
7アプリケーションユーザーが使うサービス手紙の内容・用件HTTP・FTP・SMTP・DNS
6プレゼンテーションデータ形式の変換・暗号化言語・フォーマットの統一(日本語→国際便)SSL/TLS
5セッション通信の開始・維持・終了電話で「もしもし」→用件→「失礼します」の流れ管理
4トランスポート信頼性ある転送・ポート番号書留・配達証明(確実に届ける仕組み)TCP・UDP
3ネットワークIPアドレスでルーティング住所(IP)を見て配達ルートを決める郵便局IP・ICMP
2データリンク同一ネットワーク内の転送・MACアドレス集配センター内の仕分け棚Ethernet・PPP
1物理電気信号・光信号の送受信郵便を運ぶトラック・光ケーブル(物理的な手段)
試験頻出の覚え方:「アプ・プレ・セッ・トラ・ネッ・デー・ぶつ」(第7層→第1層の順)。問われるのは「第○層のプロトコルはどれか」という形式がほとんどです。

TCP/IPプロトコルスタックとTCP vs UDP

実際のインターネットで使われているのはTCP/IPプロトコルスタック(4層構造)です。OSI参照モデルは理論的な整理のためのもので、現実の通信はTCP/IPで動いています。

宅配便で荷物を送るとき、「大きな荷物をいくつかの箱に分割して送り、届いたら組み立てる」イメージがTCPの通信によく似ています。

TCP/IP層対応するOSI層主なプロトコル役割
アプリケーション層第5〜7層HTTP / FTP / SMTP / DNSユーザーが直接使うサービス
トランスポート層第4層TCP / UDPデータの信頼性・ポート番号管理
インターネット層第3層IP / ICMP / ARPIPアドレスによるルーティング
ネットワークインターフェース層第1〜2層Ethernet / Wi-Fi物理的なデータ転送
TCP(信頼性重視)
到達確認あり(3ウェイハンドシェイク)
データ順序を保証
紛失したら再送
用途:Web・メール・ファイル転送
UDP(速度重視)
到達確認なし
順序保証なし
再送なし(その分高速)
用途:動画配信・VoIP・DNS

IPアドレスとサブネット

IPアドレスは、インターネット上の機器を識別するための住所です。IPv4は32ビットを8ビットずつ4組に分けた「xxx.xxx.xxx.xxx」形式で表します。

郵便番号(市区町村)+番地(個別の家)と同じように、ネットワーク部(所属するネットワーク)ホスト部(個別の機器)に分かれています。

IPv4アドレスの構造例
192.168.1
.10
ネットワーク部(郵便番号) ホスト部(番地)
サブネットマスク(例:255.255.255.0)でネットワーク部とホスト部の境界を決めます。
「/24」表記(CIDR表記)は「先頭24ビットがネットワーク部」を意味し、ホスト部は残り8ビット → 最大254台の機器が接続可能。
クラス先頭ビット範囲(例)用途
クラスA0〜1.0.0.0 〜 126.255.255.255大企業・ISP
クラスB10〜128.0.0.0 〜 191.255.255.255中規模企業
クラスC110〜192.0.0.0 〜 223.255.255.255小規模ネットワーク
プライベートIP192.168.x.x / 10.x.x.x 等社内・家庭内LAN

試験頻出プロトコル一覧

試験では「プロトコル名とその機能・層の対応」がよく問われます。以下のプロトコルを押さえておけば、選択肢の大半に対応できます。

第7層 アプリケーション
HTTP / HTTPS
WebブラウザとWebサーバー間の通信。HTTPSはSSL/TLSで暗号化。
ポート:HTTP=80 / HTTPS=443
第7層 アプリケーション
SMTP / POP3 / IMAP
メールの送受信プロトコル。SMTP=送信、POP3/IMAP=受信。
SMTP=25、POP3=110、IMAP=143
第7層 アプリケーション
DNS
ドメイン名(例:google.com)をIPアドレスに変換する「電話帳」。
ポート:53(TCP/UDP両方)
第7層 アプリケーション
FTP
ファイル転送プロトコル。制御用ポート21、データ転送ポート20。
ポート:20(データ)/ 21(制御)
第4層 トランスポート
TCP
信頼性重視の転送。3ウェイハンドシェイクで接続確立。再送制御あり。
用途:Web・メール・ファイル転送
第4層 トランスポート
UDP
速度重視の転送。確認なし・再送なし。リアルタイム通信向け。
用途:動画配信・VoIP・DNS
第3層 ネットワーク
IP / ICMP / ARP
IP=ルーティング、ICMP=疎通確認(ping)、ARP=IPからMACアドレスを解決。
IP=ルーティングの根幹プロトコル
第6層 プレゼンテーション
SSL / TLS
通信の暗号化・認証。HTTPSの「S」はSSL/TLSによる保護を意味する。
現在はTLS 1.2/1.3が主流

ネットワーク機器と動作層

ネットワーク機器はそれぞれ「どの層で動作するか」が試験のポイントです。層が上になるほど処理が高度で、適切なセグメント分割・ルーティングができます。

機器名動作層識別情報主な機能
リピーター第1層(物理層)電気信号を増幅・中継。距離延長のみ。
ブリッジ第2層(データリンク)MACアドレスMACアドレスでフレームをフィルタリング・転送。
スイッチ(L2)第2層(データリンク)MACアドレスMACアドレステーブルで効率的にフレーム転送。
ルーター第3層(ネットワーク)IPアドレス異なるネットワーク間をIPアドレスで接続・経路選択。
ゲートウェイ全層(第4〜7層)異なるプロトコル体系を変換。セキュリティ制御も担う。
覚え方:「ぶ(物理=リピーター)・デ(データリンク=ブリッジ・スイッチ)・ネ(ネットワーク=ルーター)・ゲ(ゲートウェイ=全層)」。機器の頭文字とセットで覚えると定着しやすいです。

サブネット計算の基礎

過去問では「ネットワーク上に接続できるホスト数は何台か」という計算問題も出題されます。サブネットマスクとCIDR表記の読み方を押さえておきましょう。

計算例:192.168.1.0/24 のホスト数
① /24 → ホスト部は残り 32-24=8ビット
② 8ビットで表せる値 → 28256通り
③ ネットワークアドレス(.0)とブロードキャストアドレス(.255)を除く
→ 接続できるホスト数 = 256 − 2 = 254台
公式:ホスト数 = 2ホスト部のビット数 − 2 (ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つを除く)

まとめ:試験前チェックリスト

  • OSI参照モデルは第1〜7層。「ぶ・デ・ネ・ト・セ・プレ・アプ」で各層を上下の順に把握する
  • TCP=信頼性重視(再送あり)、UDP=速度重視(再送なし)の違いを押さえる
  • 主要プロトコルとポート番号:HTTP=80、HTTPS=443、SMTP=25、DNS=53、FTP=20/21
  • IPアドレスはネットワーク部+ホスト部。/24なら28−2=254台が接続可能
  • ネットワーク機器:リピーター=第1層、ブリッジ・スイッチ=第2層、ルーター=第3層、ゲートウェイ=全層
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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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