MRP・BOMまとめ|資材所要量計画と部品表の仕組みを図解で整理

「完成品を100台作るには、部品Aが何個必要か」という問いに体系的に答えるのが MRP(資材所要量計画)です。製品の部品構成を記述したBOM(部品表)を基に、必要な部品の数量・タイミングを計算し、過不足のない調達・製造を実現します。運営管理の試験で問われる生産管理の核心的な仕組みです。

目次

MRPとは

MRP(Material Requirements Planning)
  • 資材所要量計画
  • 完成品の生産計画(MPS)とBOM(部品表)・在庫情報をもとに、各部品・資材の必要量と必要時期を計算するシステム
  • 1960年代にIBMのジョゼフ・オルリッキーが開発
  • 需要に依存して発生する「従属需要品目」の管理に最適
独立需要 vs 従属需要
  • 独立需要:市場の需要から直接決まる品目(完成品・補修部品等)。需要予測で管理する。
  • 従属需要:上位品目の生産量から計算で決まる品目(部品・原材料等)。MRPで管理する。
  • MRPは従属需要品目の過剰在庫・欠品を同時に防ぐ仕組み

MRP の3つのインプット

1
MPS(Master Production Schedule:基準生産計画)

何をいつ何台生産するかの完成品レベルの計画。MRPの起点となる独立需要情報。需要予測・受注残・在庫水準をもとに作成される。

2
BOM(Bill of Materials:部品表)

製品を構成する部品・原材料の階層構造と必要数量を記述したリスト。「親品目」と「子品目」の関係、使用数量(数量係数)が登録されている。

3
在庫記録ファイル(Inventory Records)

各品目の現在庫量・発注残(入荷予定)・リードタイム・ロットサイズ等の情報。正確な在庫管理情報がMRPの精度に直結する。

BOM(部品表)の構造

BOMの階層構造(例:自転車)

レベル0:完成品(自転車)
レベル1:フレーム×1、車輪×2、ハンドル×1、チェーン×1
レベル2:タイヤ×2(車輪1本あたり)、スポーク×36(車輪1本あたり)…

数量係数:親品目1単位あたりに必要な子品目の数量

MRP の計算プロセス

1
総所要量の計算

MPS(完成品計画数量)× BOM数量係数 = 各部品の総所要量

2
正味所要量の計算

正味所要量 = 総所要量 − 現在庫量 − 入荷予定数量。負の場合は発注不要。

3
発注指示・製造指示の算出

正味所要量が発生する時期からリードタイムを遡り、発注・製造の開始日を決定する。ロットサイズ(最小発注単位)を考慮して丸める。

4
下位品目への展開(爆発)

上位品目の製造指示量を下位品目の総所要量に展開する(BOMを使って繰り返し計算)。これをBOM展開または「爆発(explosion)」という。

正味所要量の計算式
正味所要量 = 総所要量 − 在庫量 − 発注残(入荷予定)

MRP から MRP II・ERP へ

システム 主な対象範囲 特徴
MRP(資材所要量計画) 部品・資材の所要量・タイミング 無限能力を前提(生産能力制約を考慮しない)
MRP II(製造資源計画) 資材+生産能力(設備・人員) 能力所要量計画(CRP)を組み合わせ、工場の資源全体を計画
ERP(統合基幹業務システム) 製造・販売・購買・財務・人事 企業全体の経営資源をリアルタイムで統合管理(ERP・SCM・CRM参照)
MRP の限界:MRP は生産能力を無限と仮定して計算する(無限能力計画)。そのため、設備や人員の制約を超えた計画が出力されることがある。これを補うのがCRP(能力所要量計画)や制約の理論(TOC)。MRPと合わせてJIT・かんばん方式も押さえておくとよい。

過去問で確認する

H26年 第22問
運営管理MRP計算

MRPに関する計算問題。完成品の生産計画とBOM、在庫量が与えられたとき、部品の発注量を計算するものはどれか。

解答のポイント:①MPS×数量係数で総所要量を計算→②総所要量−在庫量−入荷予定=正味所要量→③正味所要量をロットサイズで丸めた値が発注量。リードタイムを考慮して発注タイミングを逆算する。

R1年 第26問
運営管理BOM・爆発処理

BOM(部品表)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

解答のポイント:BOMは製品の部品構成を階層的に表した構造データ。MRPではBOMを使って完成品の生産計画を下位部品の所要量に「展開(爆発)」する。1つの部品が複数の製品に使われる場合は「インプロージョン(内爆)」でその部品を必要とする親品目を特定できる。

R4年 第24問
運営管理MRP vs MRP II

MRPとMRP IIの違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

解答のポイント:MRPは「部品・資材の所要量と調達タイミング」を計算するシステムで、生産能力は無限と仮定する。MRP IIは「製造資源計画」とも呼ばれ、資材だけでなく設備・人員等の生産能力(キャパシティ)も計画対象に含める拡張版。

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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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