U「品質管理にコストをかけると利益が下がる」と思っていましたが、実は逆でした。不良品が出た後に対処するコスト(失敗コスト)のほうが、事前の予防コストより何倍も高くつく——この逆転の発想が品質コスト管理の本質だと感じています。
この記事でわかること
- 品質コストの定義とPAF分類(予防・評価・失敗)
- 内部失敗コストと外部失敗コストの違い
- 品質コストと品質水準の最適バランス
- クレーム管理・製品賠償責任(PL法)との関係
- 品質保証体系図の考え方
目次
品質コストのPAF分類——3つに分けて管理する
| 分類 | 英語 | 内容・例 |
|---|---|---|
| 予防コスト(P) | Prevention Cost | 品質問題を事前に防ぐためのコスト。品質教育・品質計画・工程設計・QCサークル活動費 |
| 評価コスト(A) | Appraisal Cost | 製品・工程の品質を検査・測定するコスト。受入検査・工程内検査・完成品検査・検査機器の維持費 |
| 内部失敗コスト(F内) | Internal Failure Cost | 出荷前に発見された不良によるコスト。スクラップ・手直し・再検査費用 |
| 外部失敗コスト(F外) | External Failure Cost | 出荷後に発覚した不良によるコスト。クレーム対応・保証修理・返品・PL訴訟対応・信用失墜 |
重要な考え方:予防コストへの投資が総コストを下げる
一般に、予防コストを増やすと評価・失敗コストが減り、品質コストの総合計は最適点で最小になる。→ 不良が出てから対処するより、最初から品質を作り込む(予防)ほうがトータルコストが低い。
→ 外部失敗コスト(クレーム・PL訴訟)は社会的損失も大きいため、特に予防が重要。
製造物責任(PL法)——外部失敗の最大リスク
製造物責任法(PL法)のポイント
- 1995年施行。製造物の欠陥によって生じた損害について、製造者が賠償責任を負う
- 無過失責任:製造者の故意・過失がなくても欠陥があれば責任を負う(過失の証明不要)
- 欠陥の3種類:設計上の欠陥 / 製造上の欠陥 / 指示・警告上の欠陥(取扱説明書の不備等)
- 対象:動産(製品)。ソフトウェア単体は原則対象外(組み込みは対象)
- 時効:損害を知った時から3年、欠陥製品引き渡しから10年
品質保証体系と検査の種類
| 検査の種類 | タイミング | 目的 |
|---|---|---|
| 受入検査(購入検査) | 原材料・部品の受入時 | 不良品を工程に流入させない |
| 工程内検査(中間検査) | 各工程の途中・完了時 | 工程内不良を早期発見・工程改善に活用 |
| 最終検査(完成品検査) | 出荷前 | 製品全体の品質保証。不良品の出荷防止 |
| 抜取検査 | 上記各段階で活用 | 全数検査が困難な場合にサンプリングで品質推定 |
| 全数検査 | 重要保安部品・高リスク品 | 全数を検査。コスト高だが信頼性が高い |
なぜ全数検査でも完璧ではないのか
- 検査員の見落とし・測定誤差がある(ヒューマンエラー)
- 破壊検査が必要な場合は全数検査不可(砲弾・電球の寿命試験等)
- 統計的品質管理(SQC)と管理図で工程の安定を保つことが本質的な解決策
Uのメモ
学習メモ
- 品質コスト=予防(P)+評価(A)+内部失敗(F内)+外部失敗(F外)
- 予防コスト↑で失敗コスト↓→総コストが最小になる最適点が存在
- PL法:欠陥製品による損害は無過失責任。3種の欠陥(設計・製造・指示)
- 検査:受入→工程内→最終。全数検査でも完璧ではない(ヒューマンエラー)
- 外部失敗コストが最も大きい→品質を「作り込む」予防が最も重要









