U「段取り8分、仕事2分」という言葉を聞いたとき、「段取りってそんなに大事なの?」と感じました。でも工場では段取り時間が長いほど機械が止まり、小ロット生産ができず、リードタイムが伸びる——段取り改善がトヨタ生産方式の核心にある理由が、少しずつ見えてきました。
この記事でわかること
- 段取りの定義と「内段取り・外段取り」の違い
- SMED(シングル段取り)の考え方と改善手順
- 段取り改善が小ロット生産・JITにつながる理由
- 段取り改善の具体的な手法(外段取り化・標準化・平行作業)
- 稼働分析(PTS法・ワークサンプリング)との関係
目次
段取りとは——機械を止めて行う準備作業
段取り(Setup)とは、ある製品から別の製品に切り替える際に行う、工具・治具・金型の交換や調整などの準備作業のことです。段取り中は機械が止まるため、段取り時間の短縮は生産性向上に直結します。
内段取りと外段取りの違い(最重要)
内段取り(Internal Setup):機械を止めなければできない段取り作業例:金型の取り外し・取り付け、刃物の交換、芯出し調整
外段取り(External Setup):機械を稼働させたまま(機械の外で)できる作業
例:次の段取りに使う工具・治具の準備、金型の運搬・予熱、書類の確認
→ SMED改善の基本は「内段取りを外段取りに転換する」こと。
SMED——シングル段取りで10分以内に
SMEDとは(Single Minute Exchange of Die)
新郷重夫が提唱した段取り改善手法。段取り時間を「一桁分(シングル=10分未満)」に短縮することを目標とする。SMEDの4ステップ:
① 現状把握:現在の段取り作業を全て記録・映像分析
② 内外段取りの区分:どの作業が内・外段取りかを分類
③ 内段取りの外段取り化:機械停止中でなくても可能な作業を機械停止前に移す
④ 内・外段取りの短縮:標準化・並行作業・専用工具の導入で残った作業も短縮
| 改善手法 | 内容 |
|---|---|
| 外段取り化 | 機械稼働中に次段取りの工具・材料を準備。内段取り時間を削減 |
| 標準化・治具化 | 調整作業を減らす専用治具・ストッパー・基準ピンの活用 |
| 並行作業 | 複数人で内段取り作業を同時に実施し時間を短縮 |
| ワンタッチ化 | ボルト→クランプ、ねじ→ワンタッチ固定への変更 |
| 作業の排除 | 不要な調整・確認作業を根本的になくす設計変更 |
段取り改善がもたらす効果
小ロット生産とJITへの連鎖効果
- 段取り時間↓ → 段取りコスト↓ → 経済的ロットサイズ↓:小ロット生産が可能になる
- 小ロット化 → 在庫↓ → リードタイム↓:多品種少量生産への対応力が上がる
- JIT(Just in Time)との親和性:必要なものを必要なときに作るためには、段取り時間が短いことが前提
- トヨタ生産方式において段取り改善(SMED)は「生産の平準化」を実現する基盤技術
稼働分析との関係——段取り時間の把握方法
| 手法 | 内容 |
|---|---|
| ワークサンプリング | 一定間隔でランダムに作業状態を観測し、稼働率・段取り比率を統計的に推定 |
| 連続観測法(タイムスタディ) | ストップウォッチで作業時間を連続計測。詳細な作業時間データが得られる |
| ビデオ分析 | 作業を動画撮影して後から分析。動作の無駄・改善点を発見しやすい |
Uのメモ
学習メモ
- 段取り:製品切替時の準備作業。機械停止中が内段取り・稼働中が外段取り
- SMED:新郷重夫考案。段取りを10分未満(シングルミニット)にする
- 基本手順:内外区分 → 内段取りの外段取り化 → 残作業の短縮
- 段取り短縮→小ロット化→在庫削減→JIT実現という連鎖
- 稼働分析:ワークサンプリング(統計的観測)・タイムスタディ(連続計測)









