信用保証制度と日本政策金融公庫 | 中小企業診断士1次試験 中小企業経営・政策

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「銀行に融資を断られたらどうすればいいのか」——中小企業経営の現場でよく聞く悩みです。実は断られた後にも公的な仕組みがあります。信用保証協会と日本政策金融公庫の役割を整理してみると、民間金融機関ではカバーできない部分を国が補っている構造がはっきり見えてきました。

目次

中小企業の資金調達 — 民間と公的機関の役割分担

中小企業の資金調達には、民間金融機関(銀行・信金)だけでなく、公的機関が補完的な役割を担っています。担保・信用力が不足しがちな中小企業のために、国・都道府県が設けた仕組みを整理します。

機関役割特徴
民間金融機関(銀行・信金)融資の実行審査が厳しく担保・保証人が必要なことが多い
信用保証協会融資の保証(保証人代わり)中小企業が返済できない場合に代わりに返済する
日本政策金融公庫政策的融資の実行民間が貸しにくい案件に対して直接融資
中小企業基盤整備機構小規模企業共済・セーフティネット廃業・倒産時の備えや経営安定支援

信用保証協会 — 銀行と中小企業の「橋渡し役」

信用保証協会とは、中小企業が銀行から融資を受ける際に「保証人」になる公的機関です。各都道府県に設置されており、全国に51機関あります。

中小企業が銀行に融資を申し込む
担保や保証人が不十分でも、信用保証協会の保証付きで申し込める。
信用保証協会が審査・保証承諾
信用保証協会が企業の信用力を独自に審査し、保証を引き受ける。企業は保証料(年0.45〜1.90%程度)を支払う。
銀行が融資を実行
保証がついた状態で銀行が安心して融資できる。中小企業にとっては融資を受けやすくなる。
返済できない場合は協会が代位弁済
企業が返済できなくなると、信用保証協会が銀行に代わって返済(代位弁済)する。その後、協会は企業に求償権を持つ。

セーフティネット保証 — 経営危機の中小企業を守る

通常の信用保証とは別に、特定の事由(取引先の倒産・自然災害・景気悪化等)で経営が悪化した中小企業を対象とした「セーフティネット保証」があります。

号数対象となる事由
1号大型倒産の影響を受けた中小企業
2号取引先企業のリストラの影響を受けた中小企業
3号突発的災害(事故等)の影響を受けた特定地域の中小企業
4号突発的災害(自然災害等)の影響を受けた中小企業
5号業況の悪化している業種に属する中小企業
6号取引金融機関の破綻の影響を受けた中小企業
7号金融機関の整理回収機構への貸付債権譲渡の影響
8号整理回収機構・産業再生機構に債権が譲渡された中小企業
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試験では「4号:自然災害」「5号:業況悪化業種」あたりが問われやすいです。号数と事由をセットで覚えておくと安心です。コロナ禍でも4号・5号が広く適用されました。

日本政策金融公庫 — 民間が貸せない領域を担う

日本政策金融公庫(日本公庫)は、政策目的に基づいて中小企業・農林水産業・国民生活に融資を行う国の機関です。民間銀行が融資を断るような案件にも対応します。

中小企業事業
中小企業向けの長期・低利の設備資金・運転資金を提供。銀行よりも有利な条件で融資を受けられる場合が多い。
  • 担保・保証人なしの融資制度あり
  • 創業時(実績なし)でも申し込み可能
  • 設備資金:最長20年
創業融資に強い
国民生活事業
小規模事業者・個人事業主・創業者向けの小口融資を担当。「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」が代表的。
  • マル経融資:無担保・無保証人
  • 商工会・商工会議所の推薦が必要
  • 上限2,000万円
小規模・個人事業主向け

身近な場面で考えてみると — 創業したばかりのカフェオーナー

開業して半年のカフェオーナーが追加設備(エスプレッソマシン・改装)のために300万円の資金が必要になった場面を考えてみましょう。

選択肢特徴向き・不向き
メガバンクに融資申請審査厳しい。創業半年・実績なしでは難しい実績のある中堅企業向き
日本政策金融公庫(国民生活事業)創業融資制度あり。無担保・無保証人OK。事業計画書で勝負創業期・小規模事業者に最適
信用保証付き融資(地方銀行)保証料が必要だが、銀行から融資を受けやすくなるある程度の事業実績があれば有効
マル経融資商工会議所に相談・推薦をもらえれば無担保で申請可能地域の商工会と関係を作っている事業者向き
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「銀行に断られた=終わり」ではなく、公的金融機関・信用保証制度・補助金と、支援の選択肢は複数あります。中小企業診断士として相談を受けた際に、この全体像を把握しておくことが重要だと感じています。

まとめ

  • 信用保証協会:中小企業の融資に保証人として入る公的機関。各都道府県に設置(全国51機関)
  • 返済不能時は協会が代位弁済し、その後企業に求償権を持つ
  • セーフティネット保証:1〜8号。自然災害(4号)・業況悪化業種(5号)が頻出
  • 日本政策金融公庫:政策目的の融資機関。創業期・小規模事業者に強い
  • マル経融資:無担保・無保証人。商工会・商工会議所の推薦が必要。上限2,000万円
  • 民間金融機関・信用保証・政策金融公庫が役割分担して中小企業を支援する構造

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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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