U財務諸表の中でPL(損益計算書)は比較的わかりやすいのですが、BS(貸借対照表)は最初「なぜ左右が必ずバランスするの?」という疑問から始まりました。調べていくと、BSは「会社のある時点の財産状況と、その財産をどう調達したか」を同時に見せているものだとわかって。左右がバランスするのは当然の構造なんですね。
貸借対照表(BS)とは
貸借対照表(Balance Sheet)は、ある時点における企業の財産状況(資産・負債・純資産)を一覧で示した財務諸表です。決算日時点の「スナップショット」であり、PLが「一定期間のフロー」を示すのに対し、BSは「ある時点のストック」を示します。
左側(借方)= 資産合計:会社が持っている財産の全体像
右側(貸方)= 負債+純資産:その財産をどうやって調達したか
→「調達した資金(右)=運用している資産(左)」なので、必ず一致する
BSの構造
流動・固定の分類基準(1年基準)
| 区分 | 資産側 | 負債側 |
|---|---|---|
| 流動(1年以内) | 現金・売掛金・棚卸資産・短期投資 | 買掛金・短期借入金・未払費用 |
| 固定(1年超) | 土地・建物・機械・長期投資・のれん | 長期借入金・社債・退職給付引当金 |
BSから読める財務指標(試験頻出)
短期的な支払い能力。200%以上が安全の目安。高いほど資金繰りに余裕がある
棚卸資産を除いた即時換金可能な資産の比率。100%以上が目安
財務安全性の基本指標。高いほど借入への依存が低く安定。40%以上が優良の目安
自己資本に対する借入の割合。100%以下が安全とされる
固定資産が自己資本で賄われているかを確認。100%以下が理想
固定資産を長期資金(自己資本+固定負債)で賄えているかを確認。100%以下が目安
のれんと無形固定資産
M&A(企業買収)でよく出てくるのれんは、取得価額が被取得企業の純資産(時価)を超える部分で、「ブランド・技術・顧客基盤などの超過収益力」を示します。
- 日本基準:のれんは20年以内に定額償却(費用化)
- IFRS(国際会計基準):のれんは償却せず、毎期減損テストを実施
- 試験ポイント:日本基準とIFRSの取扱いの違いが頻出
BSとPLのつながり
PLで計算された当期純利益 → BSの「利益剰余金(純資産)」に加算される
→ 利益が積み上がるほど純資産(自己資本)が増加し、財務基盤が強化される
配当はBSの純資産を減少させる:配当金の支払いは利益剰余金から控除
過去問で確認する
- 貸借対照表の流動資産と固定資産の分類基準として最も適切なものはどれか。ア)取得価額が10万円以上かどうか イ)1年基準と正常営業循環基準による分類 ウ)有形か無形かによる分類 エ)売却目的かどうかによる分類正解:イ
- 自己資本比率の説明として正しいものを選べ。ア)負債合計÷総資産 イ)純資産÷総資産 ウ)流動資産÷流動負債 エ)固定資産÷自己資本正解:イ
- のれんの会計処理について、日本基準とIFRSの違いを説明せよ。R4年度 類題
- 固定比率と固定長期適合率の違いを述べ、それぞれが示す財務安全性の意味を説明せよ。H29年度 類題
まとめ
流動・固定の分類:1年基準+正常営業循環基準。流動は短期、固定は長期
主要指標:流動比率(短期安全性)・自己資本比率(財務安定性)・固定比率(長期資金の適切性)
のれん:日本基準=20年以内償却、IFRS=非償却・減損テスト
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