UB/Sって左右に数字が並んでいるだけに見えて、最初は何を表しているのか全然ピンと来なかったんです。でも「企業の財産目録と、その財産をどう調達したかを同時に見せている」と気づいた瞬間、すべての数字に意味が宿りました。今日は一緒に整理してみます。
財務諸表の中で、B/S(貸借対照表)はある瞬間の「スナップショット」です。
P/Lが一定期間の「流れ」を見せるのに対し、B/Sは決算日時点の財産状況を静止画のように映し出します。
まず「左右の合計が必ず一致する」という大原則から押さえましょう。
身近な例で整理してみましょう。あなたが「マンションを購入した」とします。 マンション(3,000万円)は左側の「資産」。住宅ローン(2,400万円)は右側の「負債」。自己資金(600万円)は右側の「純資産」。 3,000万円 = 2,400万円 + 600万円 — これがB/Sの本質です。
B/Sの全体構造を「4つのブロック」で把握する
例:現金・売掛金・棚卸資産・有価証券
例:建物・機械・土地・投資有価証券・ソフトウェア
例:創立費・開業費
例:買掛金・短期借入金・未払費用
例:社債・長期借入金・退職給付引当金
例:資本金・資本剰余金・利益剰余金
①1年基準(ワン・イヤー・ルール):決算日から1年以内→流動、1年超→固定
②正常営業循環基準:仕入→製造→販売→回収の正常な営業サイクル内のもの(売掛金・棚卸資産)は1年超でも流動資産
両方に引っかかるものは「流動」扱いが優先されます。
流動・固定の区分を身近な例で確認する
「あなたが小さなカフェを経営している」と想像してみてください。
| 項目 | カフェの具体例 | 区分 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 現金・預金 | レジの現金・銀行口座 | 流動資産 | すぐに使える |
| 売掛金 | 法人顧客への未回収代金 | 流動資産 | 近日中に回収 |
| 棚卸資産 | コーヒー豆・ミルクの在庫 | 流動資産 | 正常営業循環内 |
| エスプレッソマシン | 5年使う業務用機器 | 固定資産(有形) | 1年超で使用 |
| POSシステムの権利 | 購入したソフトウェア | 固定資産(無形) | 1年超で使用 |
| 買掛金 | コーヒー豆業者への未払い | 流動負債 | 翌月払い |
| 設備ローン | 機器購入の3年ローン | 固定負債 | 返済1年超 |
B/Sから読む「安全性」の指標3つ
B/Sは財産の一覧であると同時に、「この会社は安全か?」を判断する道具でもあります。 診断士試験では特に3つの指標が頻出です。
固定長期適合率 = 固定資産 ÷(自己資本 + 固定負債)× 100
固定資産を「自己資本 + 固定負債」で賄えているかを見るもので、こちらは100%以下が目安です。固定比率より少し緩い基準になります。
純資産(自己資本)の内訳を整理する
純資産は「株主が拠出した資本」と「会社が稼いで積み上げた利益」に大きく分かれます。 この区別が2次試験の財務分析でも問われる場面があります。
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 資本金 | 株主が払い込んだ元本のうち資本金として計上した額 | 原則として最低1円(会社法) |
| 資本剰余金 | 資本準備金 + その他資本剰余金 | 払込金額のうち資本金に組み入れなかった部分 |
| 利益剰余金 | 利益準備金 + その他利益剰余金(任意積立金・繰越利益剰余金) | 毎期の純利益が積み上がったもの。配当の源泉 |
| 自己株式 | 会社が取得した自社株(純資産のマイナス項目) | ▲(マイナス)で表示される点に注意 |
| 評価・換算差額等 | その他有価証券評価差額金・繰延ヘッジ損益など | 時価評価の未実現損益を純資産に含める |
B/Sの「左右バランス」で経営の健全性を直感する
過去問で頻出のB/S論点
| 論点 | よく問われるポイント | 試験での出題形式 |
|---|---|---|
| 流動・固定の区分 | 1年基準 vs 正常営業循環基準の優先順位 | 具体的な項目がどちらに分類されるか |
| 流動比率・当座比率 | 算式と「高いほど安全」という方向性 | 数値計算・空欄補充 |
| 自己資本比率 | 総資本(=総資産)との違い | 比率計算・財務分析問題 |
| 純資産の内訳 | 資本金・資本剰余金・利益剰余金の違い | 穴埋め・選択式 |
| 債務超過 | 純資産がマイナス=負債が資産を超えた状態 | 経営分析・事例問題 |









