種類株式——優先株・拒否権付株式・議決権制限株式を図解で整理 | 中小企業診断士1次試験 経営法務

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今回は経営法務の「company law stock types」について整理してみます。試験対策として重要な論点をビジュアルでまとめました。

目次

種類株式とは——株主ごとに違う権利を設計する

通常の株式は「1株1議決権・1株平等の配当」ですが、会社法は内容の異なる複数の種類の株式(種類株式)を発行することを認めています。事業承継・スタートアップへのベンチャー投資・経営権の集中などで活用されます。

9
種類
会社法が定める種類株式の類型数
定款
に定める
種類株式の内容は定款に記載が必要

9種類の種類株式——試験頻出5選

種類内容主な活用場面
優先配当株式普通株主より先に配当を受ける権利投資家への優先リターン確保(VC投資)
議決権制限株式株主総会での議決権を制限または排除資金調達しながら経営支配権を維持したい場合
拒否権付株式(黄金株)特定事項について株主総会決議に加え、この株主の同意が必要創業者・親族が経営支配権を維持する事業承継
取得条項付株式一定の事由が生じた場合に会社が強制取得できるVC投資のExit・役員退任後の株式回収
全部取得条項付株式株主総会の特別決議で全株式を会社が取得できるMBO・少数株主の締め出し(スクイーズアウト)

黄金株(拒否権付株式)——事業承継での活用

後継者に株式を譲渡して経営を任せながら、創業者が「黄金株(拒否権付種類株式)」を1株だけ持ち続けることで、重要事項の決定に拒否権を維持するという設計が、中小企業の事業承継でよく使われます。

01
定款変更で種類株式を創設
株主総会の特別決議(議決権の2/3以上)で定款を変更して、黄金株の内容を定める。
02
創業者が黄金株1株を保有
後継者に普通株式の大半を譲渡。創業者は黄金株だけを保持。
03
重要事項には種類株主総会が必要
定款で定めた事項(合併・定款変更等)については、普通株主総会と別に種類株主総会の承認が必要。創業者が反対すれば否決できる。

注意点:上場会社は原則として黄金株を発行できない(公開会社の制限)。非公開会社(中小企業)で有効な手法。

議決権制限株式——資金調達と経営権の両立

「投資家に株を発行したいが、経営に口を出されたくない」という場合に、議決権制限株式を発行することで資金調達と経営支配権の維持を両立できます。

公開会社では、議決権制限株式は発行済み株式総数の1/2を超えてはならない(会社法115条)という制限があります。非公開会社にはこの制限がありません。

スタートアップ投資では「優先配当+議決権制限」を組み合わせた株式をVCに発行するのが一般的です。

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種類株式は「なぜこの制度があるのか」という視点から入ると整理しやすいです。事業承継なら「黄金株で創業者が見守る」、スタートアップ投資なら「VCに優先リターンを保証しつつ経営権は維持する」という場面と結びつけると、試験でどの種類株式が問われても対応できる気がしています。

まとめ

  • 種類株式とは——株主ごとに違う権利を設計する
  • 9種類の種類株式——試験頻出5選
  • 黄金株(拒否権付株式)——事業承継での活用

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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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