事例IIの解法フレームワーク | 中小企業診断士2次試験

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事例IIの設問を見るたびに「どこから手をつければいいんだろう」と感じていました。与件文にはお客様のことも商品のことも地域のことも書いてあって、情報が多すぎて整理できなくて。でも「ダナドコ」という4文字を知ってから、設問の読み方がまるごと変わりました。今日はその整理方法を一緒に確認していきます。

目次

事例IIは「マーケティングの型」を持ち込めば解ける

事例IIの設問は、ほぼすべてが「誰に・何を・どのように売るか」という構造に収まります。与件文がいくら長くても、この軸で情報を整理できれば、解答の方向性が迷子になりません。
80
試験時間(事例II)
4〜5
平均設問数
100
点満点
60点以上が合格目安
中小
企業
舞台は必ず中小企業

事例IIは企業経営理論で学んだマーケティングの知識を「中小企業の現場」に当てはめる事例です。対象企業は飲食・小売・観光・サービス業など多岐にわたりますが、問われていることの核心はほぼ変わりません。

「ダナドコ」で解答の骨格を作る

事例IIの解答を組み立てるときに使う最重要フレームワークが「ダナドコ」です。合格者の多くがこの4文字を軸に解答を組み立てています。

誰に(ターゲット)
どのような顧客層に、どのようなニーズを持つ人に向けて施策を行うのかを明示する。
🔍 与件文から:年齢・性別・利用シーン・ライフステージ・悩みを拾う
何を(提供価値)
自社の強みや商品・サービスのどの要素を提供するのかを示す。
🔍 与件文から:技術・こだわり・歴史・独自性・希少性を拾う
どのように(施策・方法)
具体的にどんな手段・チャネル・プロモーションで届けるのかを記述する。
🔍 与件文から:SNS・イベント・紹介・既存顧客活用などを拾う
効果(期待される結果)
施策によって何が改善されるか。売上・客単価・リピート・認知度など。
🔍 設問で「効果を述べよ」と聞かれたら必ず明記する

たとえば「地元の和菓子屋」の事例で「新規顧客獲得策を述べよ」という設問が出たとします。ダナドコで考えると自然と骨格ができあがります。

ダナドコ適用例:和菓子屋の新規顧客獲得策
だ(誰に):近隣の30〜40代女性で、贈答用の品を探している層
な(何を):職人が手作りする季節限定の上生菓子(高品質・希少性)
ど(どのように):インスタグラムで製造工程を発信し、地域コミュニティとの体験イベントを開催する
こ(効果):贈答需要の取り込みにより客単価が向上し、口コミによるリピーター獲得にもつながる

設問の4タイプを見分ける

事例IIの設問は問われ方が異なりますが、大きく4つのタイプに分類できます。設問を読んだ瞬間に「このタイプだ」と判断できると、解答の方向性がブレません。

設問タイプ 典型的な問われ方 解答の核心
ターゲット策定 「どのような顧客層をターゲットにすべきか」 ダナドコの「だ」に全力。与件のデモグラフィック・ライフスタイルから特定する
施策提案 「どのような施策を講じるべきか」 ダナドコの「ど」が中心。具体的な手段を2〜3点列挙する
強み活用 「B社の強みを活かしてどのように対応すべきか」 与件の強みを必ず引用して施策に繋げる(強みなき施策は×)
効果説明 「その施策の効果を述べよ」「なぜその施策が有効か」 ダナドコの「こ」を明示。数値的・質的の両面で書くと高評価
⚠️ タイプ誤認の落とし穴
「施策を述べよ」という設問で「なぜかを説明する」解答を書いてしまうミスが頻出します。設問の最初の動詞(述べよ・説明せよ・提案せよ)を必ず確認してください。

与件文から「使える情報」を拾う読み方

事例IIの与件文には、解答に使える情報と使えない情報が混在しています。読みながら以下の4つの箱に振り分ける習慣をつけると、解答組み立てが格段に速くなります。

🟦 強み(内部・プラス)
S技術力・職人技
Sこだわりの原材料・製法
S長年の顧客との信頼関係
S立地・アクセスの良さ
Sコミュニティとのつながり
🔲 弱み(内部・マイナス)
W認知度の低さ
WIT・SNS対応の遅れ
W後継者・人手不足
W商品ラインナップの狭さ
W価格競争力のなさ
🟩 機会(外部・プラス)
O観光客・インバウンドの増加
O健康志向・本物志向の高まり
OEC・SNS普及
O地域ブランドへの関心
O贈答需要の拡大
🔳 脅威(外部・マイナス)
T大手チェーンの進出
T人口減少・顧客の高齢化
T原材料費の高騰
T競合他社の価格攻勢
T消費者ニーズの多様化

事例IIの解答で高得点を狙うには「強み(S)×機会(O)」の組み合わせを意識することが重要です。弱みや脅威ばかりに目が向くと、施策の根拠が薄くなりがちです。

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与件文を読みながらSWOT分類のメモを書く練習をはじめたとき、最初は「これは強みか機会か?」と迷うことが多かったです。ポイントは「内部(自社)か外部(環境)か」で仕分けること。自社の努力で変えられるものが内部、変えられないものが外部と考えると、だいぶ迷いが減りました。

解答プロセス4ステップ

01
設問を読んでタイプと制約を確認する
設問の動詞・字数・条件を確認します。「B社の強みを活かして」という条件は見落とさないよう下線を引きます。
⏱ 目安:5分(全設問を先読みして全体像を把握)
02
与件文をSWOT視点で読み、使える情報にマークをつける
強み・弱み・機会・脅威をカラーペンや記号(S/W/O/T)で分類しながら読みます。設問と紐づく情報に印をつけるとなお効果的です。
⏱ 目安:15〜20分
03
ダナドコで解答の骨格を作る
設問ごとにダナドコを当てはめ、骨格を書き出します。与件文の言葉をそのまま使うことで、根拠が明確な解答になります。
💡 与件文にない情報を自分で考えて追加するのは禁物。与件文に書かれた事実を組み合わせることが基本
04
字数内で簡潔に記述し、見直す
結論を先に書き、根拠を添える形で記述します。最後に「誰に・何を・どのように」が揃っているかを確認します。
⏱ 目安:残り時間で全設問を均等に配分。1設問あたり10〜15分を目安に

本番80分の時間配分

0〜5分
設問の先読み
全設問を読んで「何が問われているか」の全体像を把握。設問タイプと制約条件をメモ。
5〜25分
与件文の精読
SWOT分類しながら丁寧に読む。設問と紐づく情報に印をつける。
25〜70分
解答記述(各設問)
設問数5問なら1問あたり約9分。ダナドコで骨格を作ってから記述。
70〜80分
見直し・修正
設問の条件(強みを活かす・具体的に等)が守られているか確認。誤字・脱字チェック。
⚠️ よくある時間オーバーパターン
与件文を2周・3周読んでしまい、記述時間が足りなくなるケースが多いです。1回の精読で情報を拾い切る練習が大切です。「完璧に理解してから書こう」ではなく「ある程度理解したら書きはじめる」ことを意識してみてください。

身近な場面でダナドコを体感する

近所の小さなカフェを例に考えてみます。大手チェーンが近くに出店してきた状況で、そのカフェが生き残るための施策を考えるとします。

🏠 近所のカフェ:ダナドコ思考実験
状況:個人経営の小さなカフェ。席数15席。常連客は近隣の60代が中心。近くに大手コーヒーチェーンが出店。
だ(誰に):近隣のリモートワーク中の30〜40代(平日昼間に需要)
な(何を):静かで落ち着いた作業環境+オーナーが豆から選ぶこだわりのコーヒー
ど(どのように):「仕事がはかどるカフェ」としてSNSで発信。Wi-Fi・電源完備をアピール。地域のコワーキング利用者にDM配布。
こ(効果):平日昼間の稼働率向上と、新規層の取り込みで売上を回復させる

試験の事例IIはこれと同じ思考プロセスです。与件文に書かれた「カフェ」の情報をSWOTで整理して、ダナドコに当てはめれば、解答の骨格が自然と完成します。

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過去問を解くとき、最初は「与件文のどこを使えばいいかわからない」と感じていました。でもSWOTでマークをつける練習を続けると、「このカフェは技術力(S)があって観光地化(O)が進んでいる、だからインバウンド向け体験プログラムを提案すればいい」と流れるように組み立てられるようになりました。焦らず、過去問1問1問で体に染み込ませていけば大丈夫です。

まとめ

  • 事例IIの解答骨格は「ダナドコ(誰に・何を・どのように・効果)」で作る
  • 設問タイプを見極め、問われていることに的確に答える(ターゲット策定・施策提案・強み活用・効果説明)
  • 与件文をSWOT視点で読み、「強み×機会」の組み合わせを解答の根拠にする
  • 与件文にない情報を自分で追加しない。必ず与件文の言葉を根拠に使う
  • 時間配分:設問先読み5分→与件精読20分→記述45分→見直し10分
Uのメモ
事例IIを解くとき、最初は「マーケティング戦略を述べよ」という問いが一番苦手でした。「戦略って何を書けばいいの?」と手が止まってしまって。でも「ダナドコ+与件文の強み」を意識したら、書くべきことが整理できるようになりました。特に「強みを活かして」という条件がある設問は、与件文に書かれた強みを必ず冒頭に明示することを心がけています。
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この記事を書いた人

中小企業診断士試験勉強中のアラフィフシングルマザーです。
大学卒業後から現在まで、数々の失敗をしながらずっと自営業として試行錯誤を重ねてきました。
もっときちんと経営やビジネスの知識を身につけて、将来は他の事業者の方のお役にも立てたらいいな、と思うようになり、中小企業診断士の試験に挑戦中です。

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