SWOT分析とは
SWOT分析は、企業の内部環境と外部環境をそれぞれプラス面・マイナス面に分けて整理するフレームワークです。
1次試験でも2次試験でも頻繁に出題される、経営戦略の基本とも言える考え方です。
内部 × プラス
内部 × マイナス
外部 × プラス
外部 × マイナス
具体例で見てみましょう
たとえば、地方の老舗和菓子店を例に考えてみます。身近な企業に当てはめてみると、ぐっとイメージしやすくなるかと思います。
| 分類 | 具体例 | なぜその分類? |
|---|---|---|
| S(強み) | 創業100年の伝統技術、地元での高い知名度 | 自社が培ってきたもの → 内部 × プラス |
| W(弱み) | 後継者不在、ネット販売の経験なし | 自社の課題 → 内部 × マイナス |
| O(機会) | 和菓子ブーム、越境ECの普及 | 市場の追い風 → 外部 × プラス |
| T(脅威) | 原材料費の高騰、大手チェーンの進出 | 自社では防げない → 外部 × マイナス |
内部と外部、迷ったときの判断方法
試験でよく問われるのが「これは内部?外部?」という分類です。最初は迷いやすい部分ですが、次のフローで考えると判断しやすくなります。
変えることができますか?
プラス→S / マイナス→W
プラス→O / マイナス→T
Yesなら内部環境、Noなら外部環境です。このフレーズで迷いがなくなりました。
たとえば「人材不足」は、自社の採用・育成で改善できるため内部環境(W)。一方「人口減少」は自社の力では変えられないため外部環境(T)に分類されます。
クロスSWOT分析 — 戦略を導く掛け合わせ
SWOT分析の本当の価値は、ここからです。4つの要素を掛け合わせることで、具体的な戦略の方向性が見えてきます。
試験ではどう出題されるか
| 試験 | 出題パターン | 求められる力 |
|---|---|---|
| 1次試験 | 「この記述はSWOTのどれに該当するか」 | 内部/外部の瞬時の判断 |
| 2次試験 | 事例からSWOTを自力で抽出し戦略提案 | 読解力 + クロスSWOTの応用 |
過去問ではこう出題されています
実際の試験では、SWOT分析はどのような形で問われるのでしょうか。出題パターンをいくつか見てみましょう。過去問に触れることで、テキストだけでは見えにくい「問われ方のクセ」が少しずつわかってきます。
- ア. A社は熟練の技術者を多数抱えている
- イ. A社の主要取引先が経営不振に陥っている
- ウ. A社が属する業界で、政府による規制緩和が進んでいる
- エ. A社は他社に比べて財務基盤が脆弱である
ア「熟練の技術者」→ 自社の人材なので内部 × プラス = S(強み)
イ「取引先の経営不振」→ 外部の出来事で自社にマイナス = T(脅威)
ウ「政府の規制緩和」→ 外部の出来事で自社にプラス = O(機会) ← 正解
エ「財務基盤が脆弱」→ 自社の財務状況なので内部 × マイナス = W(弱み)
このように、1次試験では4つの選択肢それぞれが「S・W・O・Tのどれか」に対応するよう作られていることが多いです。すべての選択肢を分類できる力が大切になります。
「B社の業界では、原材料の輸入価格が円安の影響で上昇している」
「原材料価格の上昇」は一見するとコスト構造(内部)の問題に思えますが、為替変動や国際市場の価格変動は、自社ではコントロールできない外部環境です。
迷いやすいポイント:
「原材料費が高い」→ これが自社の仕入れ方針の問題なら W(弱み)
「原材料の市場価格が上昇している」→ 市場全体の傾向なので T(脅威)
このように、同じ「原材料」でも、自社起因か市場起因かで分類が変わる点に注意が必要です。
O(機会):健康志向の高まり、有機食品市場の拡大
T(脅威):大手メーカーの参入
→ S×O(積極攻勢)の方向性:
地元有機野菜という強みを活かし、拡大する有機食品市場に向けて、大手にはできない「産地の顔が見える」商品ラインの強化が考えられます。
→ S×T(差別化)の方向性:
大手との価格競争を避け、「地元産・少量生産・ストーリー性」という独自の価値で差別化を図ることが有効と考えられます。
日常の中でできる練習方法
SWOT分析は、机に向かっていない時間でも練習できるフレームワークです。日常の中で見かける企業やお店について、頭の中で「S・W・O・T」に分けてみる習慣をつけると、試験本番での判断スピードが格段に上がるように感じます。
| 場面 | 練習の例 |
|---|---|
| カフェにて | 「このお店の強みは何だろう?立地?味?雰囲気?」 |
| ニュースを見て | 「この業界の規制変更は、O(機会)?T(脅威)?」 |
| 買い物中 | 「この商品が売れている理由は、企業のS?市場のO?」 |
| 通勤中 | 「駅前の新しいお店、既存店にとってはT(脅威)かも」 |
- SWOT分析は、内部環境(S・W)と外部環境(O・T)を整理するフレームワーク
- 内部か外部かの判断基準は「自社でコントロールできるかどうか」
- クロスSWOTで4要素を掛け合わせると、戦略の方向性が見えてくる
- S×O(積極攻勢)が最優先、W×T(防衛・撤退)は最もリスクが高い
- 1次試験では分類問題、2次試験では事例からの抽出+戦略提案が問われる
- 同じキーワードでも「自社起因か市場起因か」で分類が変わる点に注意
- 日常の中でもSWOT分析の練習はできる

