U2次試験の事例Iは「組織・人事」がテーマで、最初は何を書けばいいのかまったくわからなかったです。与件文を読んでもどこが重要なポイントなのか掴めないし、解答もふわっとしたことしか書けない。でも「設問パターンに対応する解答フレーム」を整理したら、与件文のどこに注目すればいいかが見えるようになってきました。
事例Iの特徴と基本方針
2次試験の事例Iは「組織・人事を中心とした経営の戦略および管理に関する事例」です。与件文には中小企業の歴史・組織変遷・人材課題が描かれており、「なぜその問題が起きたか(原因)」→「どうすべきか(解決策)」の流れで解答することが基本です。
組織系:権限委譲・分権化・部門間連携・コミュニケーション・意思決定の迅速化・組織の硬直化
人事系:採用・配置・能力開発・評価・報酬・モチベーション・人材育成・定着率
戦略系:経営資源の集中・選択と集中・事業ドメイン・コアコンピタンス・外注化・内製化
頻出の設問パターンと解答フレーム
問われ方:「A社の競争優位の源泉は何か」「なぜ業績が維持できたか」
解答の型:与件文の強みを「ヒト・モノ・カネ・情報・組織」で整理して記述
- 技術力・ノウハウ・ブランド(モノ・情報)
- 長年の顧客関係・信頼(情報)
- 熟練した人材・職人技術(ヒト)
- 組織の一体感・経営者のリーダーシップ(組織)
問われ方:「どのような組織体制が適切か」「事業部制を採用する理由は何か」
解答の型:組織形態の特徴を踏まえ、A社の状況(多角化・規模・専門性)と対応させる
- 機能別組織:専門性の集積・コスト効率に優れる
- 事業部制:権限委譲・迅速な意思決定・利益責任の明確化
- マトリックス:専門性と市場対応の両立(管理が複雑)
問われ方:「人材育成の課題と対応策は何か」「新規事業に向けた人材確保の方法は」
解答の型:課題(何が不足しているか)→施策(OJT・OFF-JT・外部採用)→期待効果
- OJT:現場での実践的育成。即戦力化・ノウハウ継承
- OFF-JT:体系的知識習得・資格取得支援
- 中途採用:即戦力・新たな視点・専門スキル
- 評価制度の整備:公平性・透明性の確保 → モチベーション向上
問われ方:「従業員のモチベーションを高めるための施策は」「組織の活性化策を述べよ」
解答の型:理論(マズロー・ハーズバーグ・マグレガー)と具体施策を結びつける
- 内発的動機づけ:職務充実化・権限委譲・自律性の付与
- 外発的動機づけ:報酬制度・インセンティブ・表彰制度
- 心理的安全性:失敗を許容する組織文化・風通しの良さ
問われ方:「事業承継に際して経営者がとるべき施策は」「新規事業展開での組織課題は」
解答の型:変化の必要性→現状の課題→具体的変革施策→期待効果
- 事業承継:後継者育成・権限の段階的委譲・社内の信頼醸成
- 多角化時:組織の柔軟化・専門人材の採用・新評価制度の構築
- 共通:コミュニケーションの活性化・経営理念の浸透
事例I 解答プロセス(4ステップ)
与件文のチェックポイント(事例I特有)
| 着目点 | なぜ重要か | 関連する設問パターン |
|---|---|---|
| 創業からの歴史・転換点 | 強みの源泉・現在の組織課題の原因が歴史に隠れている | 強み・成功要因、組織の課題 |
| 経営者のリーダーシップ・代替わり | 意思決定の集中・権限委譲の必要性・後継者問題のシグナル | 事業承継、組織改革 |
| 従業員の属性・離職・モチベーション | 人材育成・評価制度・採用の課題と直結 | 人材育成、モチベーション |
| 組織の分断・縦割り・連携不足 | 設問で「改善策」を問われる際の根拠 | 組織体制、活性化策 |
| 外部環境の変化(業界・競合) | 「なぜ改革が必要か」の背景として使える | 戦略転換、新規事業 |
解答で使う頻出フレーズ
施策を述べる:「権限を委譲し」「横断的なプロジェクトチームを編成し」「OJTにより現場で育成し」
効果を述べる:「意思決定を迅速化できる」「従業員のモチベーションを高められる」「組織の一体感を醸成できる」
事業承継系:「後継者への段階的な権限委譲を通じて」「経営理念の継承と従業員の信頼確保により」
過去問で確認する
- 事例Iにおける「組織の活性化策」を問う設問への解答として適切な内容を構成せよ。(フレームワーク活用)R5年度 事例I
- A社が事業承継を円滑に進めるうえで、組織・人事面で取り組むべき課題と施策を述べよ。R4年度 事例I 類題
- A社の経営上の強みとして与件文から読み取れることを整理し、その持続的競争優位の源泉を説明せよ。R3年度 事例I 類題
まとめ
頻出パターン:強み・成功要因/組織体制/人材育成/モチベーション/組織改革の5パターン
解答プロセス:設問先読み→与件文マーキング→根拠対応→記述の4ステップ
重要原則:解答の根拠は必ず与件文から。知識の押し付けではなく「与件文+知識の融合」





