U「団体交渉に応じないと不当労働行為になるの?」と過去問で驚きました。労働組合法は、個人では対等な交渉が難しい労使関係を、集団として均衡させるための仕組みです。団体交渉・労働協約・争議行為・不当労働行為の4つを軸に整理してみました。
この記事でわかること
- 労働組合の定義・要件と憲法上の根拠(28条)
- 団体交渉の対象事項と使用者の応諾義務
- 労働協約の法的効力(規範的効力・債務的効力)
- 争議行為の種類と正当性の要件
- 不当労働行為の7類型と労働委員会による救済
目次
労働三権——憲法28条が根拠
労働三権とは
憲法28条は、労働者に以下の3つの権利を保障している。① 団結権:労働組合を結成し、加入する権利
② 団体交渉権:使用者(会社)と対等に交渉する権利。使用者は正当な理由なく団体交渉を拒否できない(拒否すると不当労働行為)
③ 争議権(団体行動権):ストライキ等の争議行為を行う権利。正当な争議行為は刑事・民事免責を受ける
労働協約・団体交渉・争議行為
| 概念 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 団体交渉の対象 | 賃金・労働時間・休日・安全衛生など労働条件に関する事項(義務的団交事項) | 経営・人事の根幹(採用・解雇の基準等)は任意的団交事項。使用者は義務的事項への誠実交渉義務がある |
| 労働協約 | 労働組合と使用者が合意した取り決めを書面にしたもの | 規範的効力:個々の労働契約より優先(労働者に不利な条件を排除)/ 債務的効力:組合・使用者間の義務を定める |
| 争議行為の種類 | ストライキ(同盟罷業)・スローダウン(怠業)・ピケッティング・ロックアウト(使用者側) | 正当性の要件:①目的が正当②手段・態様が正当③組合の統制下。正当なら刑事免責・民事免責 |
| チェックオフ | 使用者が賃金から組合費を天引きして組合に納める制度 | 書面協定(チェックオフ協定)が必要 |
不当労働行為——使用者が絶対にしてはいけないこと
不当労働行為の主な類型(労働組合法7条)
- 不利益取扱い:組合員であること・組合活動を理由に解雇・降格・減給等の不利益を与えること
- 黄犬契約:「組合に加入しないこと」を雇用の条件とする契約
- 団体交渉の拒否:正当な理由なく団体交渉を拒否・形骸化すること
- 支配介入:労働組合の結成・運営に干渉・妨害すること
- 経費援助:組合運営費を援助すること(御用組合の形成につながるため)
救済手続き:都道府県労働委員会または中央労働委員会に救済申立て → 不当労働行為と認定されれば原状回復命令(バックペイ・団交命令等)
Uのメモ
学習メモ
- 労働三権:団結権・団体交渉権・争議権(憲法28条)
- 団体交渉拒否→不当労働行為(義務的団交事項は誠実交渉義務あり)
- 労働協約の規範的効力:個別の労働契約より優先(労働者に有利な側面を保護)
- 正当な争議行為→刑事免責(業務妨害罪等不成立)・民事免責(損害賠償請求不可)
- 不当労働行為→労働委員会への申立て→原状回復命令(バックペイ・団交命令)









