U2次試験の中で事例IVだけは「計算が合わないと点が取れない」という明確なプレッシャーがあります。最初は計算ミスが怖くて苦手意識がありましたが、CVP・NPV・経営比率という3つの頻出テーマに絞って解法パターンを固めると、「あ、これは解ける」という確信が持てるようになりました。
事例IVとは何を問われているか
2次試験 事例IV は中小企業の財務・会計分析と意思決定がテーマです。主人公はD社。他の3事例と異なり、計算問題が中心で、財務諸表の読み取り・CVP分析・NPV法・経営指標が頻出です。部分点も取れるため、解答プロセスを見せる書き方が重要です。
① 経営分析:財務諸表から収益性・安全性・効率性の指標を計算・分析
② CVP分析:損益分岐点・目標利益達成売上高・安全余裕率の計算
③ 投資意思決定(NPV法):設備投資の正味現在価値を計算して採否を判断
3大テーマの解法ガイド
財務諸表(BS/PL/CF)から比率を計算し、D社の強み・課題を論述する設問。
- 収益性:売上高総利益率・営業利益率・ROE
- 安全性:流動比率・自己資本比率・負債比率
- 効率性:総資産回転率・棚卸資産回転期間
売上高・変動費・固定費の構造を使って、利益と販売量の関係を計算する。
- 損益分岐点売上高の計算
- 目標利益達成売上高・販売量
- 安全余裕率・経営レバレッジ係数
将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて、投資の採否を判断する。
- 税引後キャッシュフローの計算
- 現在価値係数表の使い方
- NPV>0なら投資採択
CVP分析の基本公式
・変動費には「変動売上原価」と「変動販管費」が含まれる場合がある → 設問で確認
・「製造原価報告書」から固定費/変動費を分解する問題が出る → 問題文の指示に従う
・税効果がある場合は「税引後利益 = 税引前利益 × (1 − 税率)」を先に確認
NPV法の計算手順
CF = 税引後利益 + 減価償却費(非現金費用の戻し)。または「営業利益 × (1 − 税率) + 減価償却費」で計算。
各年のCF × 現在価値係数(PV係数表から読み取り)。年金現価係数を使えるケースは係数 × 毎年CF で一発計算。
NPV = 各年PVの合計 − 初期投資額。NPV ≥ 0 → 採択。NPV < 0 → 却下。残存価値・運転資本の回収も忘れずに加算する。
「計算式を書いてから答えを出す」習慣をつける。途中式があれば部分点が取れる。数値だけ書いて終わりはNG。
経営分析の頻出指標
| 指標名 | 計算式 | 分析ポイント |
|---|---|---|
| 売上高総利益率 | 粗利益 ÷ 売上高 × 100 | 原価管理・付加価値の高さを示す。同業他社比較で課題を特定 |
| 売上高営業利益率 | 営業利益 ÷ 売上高 × 100 | 本業の収益力。販管費が重いかを確認 |
| 流動比率 | 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 | 短期支払い能力。200%以上が目安 |
| 自己資本比率 | 純資産 ÷ 総資産 × 100 | 財務安全性。高いほど借入依存が低い |
| 総資産回転率 | 売上高 ÷ 総資産 | 資産の効率的活用度。低いと資産過多・稼働不足 |
| 棚卸資産回転期間 | 棚卸資産 ÷ 売上原価 × 365 | 在庫の滞留日数。長いほど在庫過多 |
事例IV 本番攻略チェックリスト
- 設問を先読みして「何を計算するか」を把握してから与件文・財務資料を読む
- 財務諸表は「前期」「当期」「業界平均」を比較して差異に着目する
- CVP問題:まず限界利益率を出してから、損益分岐点・目標利益を計算する
- NPV問題:CF計算→PV計算→NPVの流れを紙に書いて整理する
- 税率が与えられたら「税引後CF」の計算を忘れない
- 現価係数表は問題冊子に添付されるので、与えられた割引率の列を使う
- 途中式・計算根拠を答案に書く(部分点を確実に取る)
- 第1問(経営分析)は確実に得点する。第2問以降の計算と時間を分けて配分
試験本番の時間配分(事例IV・80分)
財務資料・与件文読み込み:10分 → 指標計算に必要な数値をメモ
第1問(経営分析):15分 → 指標計算3〜4つ+文章での分析コメント
第2問以降(計算問題):40分 → CVP/NPV/その他。難問は後回しにする
見直し・記述確認:10分 → 途中式の記述漏れ・単位ミスを確認
まとめ
CVPの公式:損益分岐点 = 固定費 ÷ 限界利益率。目標利益達成は固定費に目標利益を加算
NPVの手順:税引後CF計算 → PV計算(現価係数 × CF)→ NPV = PV合計 − 初期投資
答案作成:計算式を書いてから数値を出す。部分点を確保することが安定得点への鍵
関連記事:事例I(組織・人事)フレームワーク 事例II(マーケティング)フレームワーク 事例III(生産・技術)フレームワーク 貸借対照表(BS) CVP分析





