中小企業診断士を目指そうと思ったとき、まず知っておきたいのが試験の全体像です。一次試験と二次試験の違い、必要な勉強時間、どこにどれくらい力を入れるべきか、そして実際にどれくらいの費用がかかるのか。
この記事では、これから診断士試験に挑戦する方向けに、試験制度の全体像と現実的な学習配分、費用感までをまとめます。
中小企業診断士試験は一次試験と二次試験の二段階構成
診断士試験は、まず一次試験に合格し、その後に二次試験を受験する二段階方式です。一次試験に合格しなければ二次試験には進めません。
一次試験はマークシート方式で、知識量が問われる試験です。二次試験は記述式で、与えられた企業事例を読み取り、考えを文章でまとめる力が求められます。
同じ資格試験でも、性質はかなり異なります。
一次試験の科目構成と特徴
一次試験は全部で7科目です。
・経済学・経済政策
・財務・会計
・企業経営理論
・運営管理
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営・中小企業政策
特徴としては、範囲が非常に広く、暗記量も多いことです。一方で、出題形式は選択式なので、知識を正確に覚えていれば得点しやすい側面もあります。
独学でも対策しやすいのは一次試験だと言われることが多いのは、このためです。
二次試験の科目構成と特徴
二次試験は、次の4事例で構成されています。
・事例Ⅰ(組織・人事)
・事例Ⅱ(マーケティング・流通)
・事例Ⅲ(生産・技術)
・事例Ⅳ(財務・会計)
こちらは記述式で、企業のケースを読んだうえで、設問に対して自分の言葉で答えを書く必要があります。知識だけでなく、文章構成力や時間配分、設問解釈の力が大きく影響します。
一次試験が「知っているかどうか」の試験だとすると、二次試験は「考えて使えるかどうか」の試験だと感じます。
独学の場合の現実的な勉強時間の目安
診断士試験全体で必要な勉強時間は、一般的に800〜1000時間程度と言われることが多いです。ただし、これはあくまで目安で、バックグラウンドや勉強スタイルによってかなり差が出ます。
独学の場合のざっくりとした配分イメージとしては、
・一次試験:600〜700時間
・二次試験:200〜300時間
くらいを見ておくと、無理のない計画が立てやすいと感じています。
一次試験の中での時間配分の考え方
一次試験の中でも、科目ごとに必要な時間は異なります。
一般的に時間を多めに確保した方がよいと言われるのは、
・財務・会計
・企業経営理論
・運営管理
の3科目です。これらは理解型の要素が強く、短期間で詰め込むのが難しい科目でもあります。
一方で、
経営法務、情報システム、中小企業政策などは、直前期に集中的に覚えて対応する人も多く、メリハリをつけた学習がしやすい科目です。
すべての科目を均等に学習するよりも、理解型科目を早めに固めておく方が、全体として楽になると感じています。
二次試験は「知識」より「練習量」がものを言う
二次試験対策では、知識のインプットよりも、事例演習の量と復習の質が重要になります。
文章を書く試験なので、頭では分かっていても、実際に制限時間内で答案を書けるかどうかは別問題です。
そのため、二次試験は直前期だけ対策するのではなく、一次試験の勉強中から「この知識はどう使うのか」という視点を持っておくと、後からの負担が軽くなります。
独学でかかる費用の目安
診断士試験は、講座を使わず独学で進める場合、比較的費用を抑えやすい資格でもあります。
大まかな内訳としては、
・テキスト代:2〜3万円程度
・問題集・過去問集:2〜3万円程度
・模試(受ける場合):1〜2万円程度
・受験料(一次+二次):合わせて3万円程度
合計すると、独学であればおおよそ8〜10万円前後に収まるケースが多いと思います。
通信講座を利用すると、ここに10万〜30万円程度が上乗せされることもあります。時間をお金で買うか、自分で工夫して進めるか、という選択になります。
時間とお金、どちらをどう使うかが戦略になる
診断士試験は、社会人や子育て中の方など、忙しい中で挑戦する人も多い試験です。そのため、学習戦略は人によって大きく異なります。
時間に余裕があるなら独学中心で費用を抑える選択もありますし、時間が限られている場合は講座を使って効率を優先するのも一つの考え方です。
大切なのは、「自分の生活の中で続けられる形」を作ることだと感じています。完璧な計画よりも、無理なく続けられるリズムの方が、結果につながりやすいです。
まとめ
中小企業診断士試験は、一次試験と二次試験の二段階構成で、それぞれ求められる力が大きく異なります。独学の場合は、一次にしっかり時間をかけつつ、二次を意識した学習も少しずつ取り入れることが、後々の負担を減らしてくれます。
費用面では独学であれば比較的抑えやすく、工夫次第で続けやすい資格試験でもあります。まずは全体像を把握し、自分の生活に合ったペースで、一歩ずつ進めていくことが何より大切だと感じています。

